残業が多い、休みが取れない、人間関係がうまくいかないなど、入職前の職場のイメージと想像以上のギャップがあって、転職を考えることもあるでしょう。
しかし、看護師1年目だと、「転職を考えるには早すぎるのではないか」「採用で不利になるのでは」と不安に感じる人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、看護師1年目で転職するときに知っておきたい注意点や、転職を成功させるためのポイントなどについて解説します。
入社1年目の看護師でも転職できる
新人としていろいろなことを学ぶ時期である1年目の看護師では、転職したいと思っても「なかなか雇ってもらえないのでは」と思うかもしれません。しかし、入職1年目の看護師でも転職は可能です。
常に看護師の人手が不足している
1年目の看護師でも転職できる理由のひとつが人手不足です。2006年に看護師の配置基準が見直されて以降、看護師不足は常態化しています。
人手不足が解決しないことに加えて、美容医療や訪問看護、介護施設など、看護師が必要とされる職場が多様化していることから、看護師不足はより深刻化しています。そのため、1年目の新人看護師でも需要があるのです。
第二新卒を積極採用する病院が多い
第二新卒を積極採用する病院、クリニックが多いことも、1年目の看護師でも転職できる理由のひとつです。
入職後にギャップを感じて、離職・転職する入職1年目の看護師はたくさんいます。病院側は、離職・転職者が出たら人員を補充しなくてはなりません。
このとき、前職の病院の独自ルールに染まっておらず、育てやすい第二新卒に来てほしいと考える病院も多いのです。
第二新卒を募集している病院であれば、新人向けの研修制度が整っている可能性が高いため、転職後に「ちゃんと仕事を教えてもらえない」と悩むリスクも減らせます。
ただし入社1年以内の転職はタイミングに注意が必要
看護師不足などの理由から、入職1年目の看護師でも転職が成功する可能性は十分にありますが、転職のタイミングには注意が必要です。
志望先に早期離職を懸念されるおそれがある
入職1年目の看護師でも転職は可能とはいえ、入職半年以内の短期間での転職は避けたほうが良いでしょう。
入職半年以内では勤務期間が短すぎて、新人向けの基礎的な教育プログラムが修了していないため、看護師経験者とはみなされません。そのため、採用後には一から新人教育を受ける必要があります。
しかし、入職半年以内だと、まだ多くの病院が新人看護師を研修している最中です。
転職者に個別に新人教育を施す手間とコストがかかることから、1年目の看護師の採用に対して慎重な姿勢を示す病院は少なくありません。
また、前職を半年以内で辞めていると、「採用してもすぐに辞めるのでは?」と疑われ、早期離職による損失を避けるために採用が見送られることもあります。
できれば入職から半年は待って、ある程度新人教育が落ち着いてから転職活動を始めたほうが良いでしょう。
時期によって求人数は変動する
看護師の求人数は、時期によって大きく変動します。できるだけ求人数が多いタイミングを見計らって転職活動を始めたほうが良いでしょう。
求人数が多ければ、その分選択肢が増えるだけでなく、採用されなかった場合に次の候補を見つけやすくなります。他業界と同様に、看護師の求人も年度末から年度初めにかけて増加するので、可能であれば年度末ごろから転職活動を始めると良いでしょう。
ただし、教育係の負担軽減のために、次年度入職の看護師と転職者を合同で研修できるように、年度途中の求人を出さない病院がある点には注意が必要です。
看護師のおすすめの転職時期について、下記の記事でよりくわしく解説しています。あわせてご覧ください。
年間と経験年数で見る看護師のおすすめ転職時期!転職の気になるQ&A
入社1年目以内の転職を成功させるための3つのポイント
転職のタイミング以外にも、入職1年目の転職を成功させるために押さえておきたいポイントがあります。
ポイント1.転職理由を明確にする
入職1年目の転職を成功させるためのポイントのひとつが、転職理由を明確にすることです。入職1年目の看護師は、面接の際に「なぜ短期間で転職したのか」と聞かれる可能性が高く、しっかり答えられないと採用に影響する可能性があります。
また、転職理由を明確にすることは、同じ失敗を避けることにも役立つでしょう。単に「仕事が忙しくて疲れた」などの漠然とした理由では、同じ理由で再び転職を考えるようになるかもしれません。
なぜ現職を辞めたいのか、何が不満だったのかを具体的に洗い出してみましょう。
ポイント2.転職先の条件を定める
転職先に何を求めるのか、条件を定めることも大切です。自分が求める条件が定まっていないと、転職後に「思っていた職場と違う」とギャップを感じる可能性があります。明確化した転職理由をもとに、希望条件を考えてみましょう。
たとえば、研修内容が不十分だと感じて転職を決めたのであれば、転職先には研修制度が充実した病院を選ぶ必要があります。自宅から職場が遠く、通勤がつらいという理由で転職するのであれば、自宅から近く通勤しやすい病院かどうかが重要です。
こうして洗い出した条件に、「必須の条件」、「できれば叶えたい条件」と優先順位をつけたうえで求人情報をチェックすれば、理想の職場を探しやすくなります。
ポイント3.志望先の病院・施設を見学する
志望先の病院・施設を見学することも、転職成功のためのポイントです。看護師の転職理由として多いのが、人間関係や働き方に関わるものです。
しかし、求人情報や病院のホームページなどには、条件や仕事内容、おおまかな雰囲気といった情報しか掲載されていないため、実状を読み取るのは難しいでしょう。表向きの情報から得たイメージだけで転職先を決めた結果、人間関係や働き方の問題が起こることもあります。
実際に病院・施設を見学してみれば、求人票やホームページなどではわからない現場の雰囲気や忙しさが伝わってくるため、どんな職場なのか判断しやすくなるでしょう。今働いている人から話を聞けることもあるかもしれません。
とはいえ、自分で求人票をチェックしたり現場を見学したりしても、得られる情報には限界があるでしょう。「もっと詳細な情報を得たい」と思ったら、ぜひスマイルナースにご相談ください。
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「どうしてもこの条件は外せない」という条件がある場合の、就業先との条件調整なども行っており、転職活動がスムーズに進められます。どうぞお気軽にご連絡ください。
まとめ
入職1年目の看護師だと、経験が短すぎて採用されないのではとあきらめてしまう人もいるかもしれません。しかし、看護師は需要が高く、教育のしやすさなどからあえて第二新卒の看護師を募集する病院も多いため、入職1年目でも転職は可能です。
ただし、入職から半年未満の転職は、採用で不利に働く可能性があるため、できれば避けたほうが良いでしょう。
また、看護師の需要が高いとはいえ、何度も転職を繰り返すと採用されにくくなるおそれがあります。失敗を防ぐためにも、転職理由や希望条件をしっかり洗い出したうえで転職先を選定しましょう。