看護師の役割とは?仕事の主な内容や重要性も徹底解説!

看護師の役割とは?仕事の主な内容や重要性も徹底解説!

看護師として経験を積む中で、自身が患者さんや利用者さんにとって、どのような存在であるべきか、悩んでいる人も多いのではないでしょうか。看護観は一人ひとり異なり、立場や状況、経験によっても変化します。“理想の看護師像”を明確にするためには、看護師の役割を改めて把握しておくことが重要です。

この記事では、看護師の主な役割と各職場における重要性について紹介します。

看護職とは?

看護職とは、保健師・助産師・看護師・准看護師の総称で、保健・医療・福祉のさまざまな現場で人々の健康を支えています。保健師・助産師・看護師として働くには、国家試験に合格し、免許を取得しなければなりません。准看護師の資格は、都道府県ごとに実施される試験に合格することで得られます。

2020年度、日本の看護職の総数は約173万人にのぼり、高齢化が進む中でその役割はますます重要になっています。

参考:厚生労働省|看護職員就業者数の推移

看護職の種類や仕事内容について詳しく知りたい人は、以下の記事を参考にしてください。

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そもそも「看護」という言葉の意味とは?

看護とは、健康な人から病気や障がいを持つ人、さらには人生の最終段階にある人まで、あらゆる個人や集団を対象に行われる専門的なケアを指します。その目的は、健康の保持・増進、疾病の予防、回復の促進、苦痛の緩和など多岐にわたります。

聖路加国際大学では、看護を「人間の健康に焦点を当て、最適な健康状態へ導く援助」と定義しています。国際看護師協会(ICN)も、「看護には健康促進や病気の予防、ケアだけでなく、教育や健康政策への関与が含まれる」としています。

看護の実践においては、人権を尊重し、患者がその人らしく生きられるよう支援することが求められます。

出典:看護ネット|聖路加国際大学の定義
参考:公益社団法人日本看護協会|定款・定義

看護師の仕事の主な内容

看護師は、医師の診療補助や患者のケア、健康管理などを担い、患者さんとその家族を支える重要な役割を果たします。

1:診察・診療の補助

看護師は医師の診察や診療を補助し、患者さんの症状を的確に伝える役割を担います。具体的には、血圧測定や採血・点滴・注射、処置の準備といったことを行います。

また、手術や検査の介助、救急対応も看護師の業務内容に含まれます。診療がスムーズに進むよう、看護師には医療チームの一員として円滑なコミュニケーションを図る役割も求められます。

2:病人・けが人や妊婦さんの介助・世話・観察

看護師は、入院患者や通院患者、妊婦らの体調を管理し、それぞれにとって適切なケアを行います。食事や排泄の補助、体位変換、入浴介助など、患者さんの生活支援も大切な業務です。

また、症状の変化を観察し、異常があればすぐに医師へ報告します。特に妊婦や高齢者のケアでは、安全に配慮したサポートが必要です。

3:患者さん・家族への心理的なケア

病気やけがによる不安・ストレスを和らげるため、患者さんやその家族に寄り添うことも看護師の大切な仕事です。

入院中の患者さんには、コミュニケーションを通じて安心感を与え、治療への前向きな気持ちを引き出します。また、終末期医療では、患者さん本人に対してだけでなく、家族の精神的負担を軽減するためのサポートも行います。

看護師には適切な情報提供や相談対応を通じて、患者さんや家族の不安を軽減し、より良い療養生活を支援することが求められます。

看護師の重要性・役割

日本看護協会は看護の目的について、2003年に公表した「看護職の倫理綱領」で、次のように定義しています。

健康の保持増進
疾病の予防
健康の回復
苦痛の緩和

出典:「看護職の倫理綱領」(公益財団法人 日本看護協会)

ここからは「看護職の倫理綱領」をもとに、看護師の役割と責務について詳しく解説します。

1:健康増進

健康の保持増進とは、すべての人が健康な状態を維持し、その人らしい生活ができるよう支援することです。

より良い看護を提供するには、患者さんや利用者さんと丁寧に関わるだけでなく、保健・医療・福祉に関わる人たちと協力・連携する必要があります。医師や薬剤師、管理栄養士など、あらゆる関係者と情報共有や相互理解を深めながら、最善策を考えなければなりません。

2:疾病の予防

疾病の予防とは、すべての人の価値観や背景、思想を尊重しながら、生活習慣や食生活などの見直しを促し、病気を防ぐことです。
患者さんや利用者さん本人の望む生活ができるよう、ほかの看護師や医師に情報を共有したり、改善策を提案したりして、一人ひとりが納得のいく選択をするための合意形成をします。

また、その決定において患者さんや利用者さんの積極的な協力を促します。個々がもつ潜在的な能力を最大限に発揮できるよう支援することは、看護師の重要な役割のひとつです。

さらに、実施結果に責任をもち、患者さん、利用者さんと信頼関係を築くことも大切です。自分が専門職であることを理解し、人々の健康や福祉に寄与できる立場としての責任を果たすことが求められます。

3:健康回復のサポート

健康の回復とは、一人ひとりの意思決定を尊重した最善策を実践し、健康状態の回復を促すことです。

看護を提供する上で重要な“平等”という考え方は、単に同じ看護を提供するという意味ではありません。その人の個性やニーズに合った看護ケアを提供し、ともに回復への道を歩むのです。

もし、自分の能力を超える看護が必要になった場合は、上司や同僚のほか、医師に支援やアドバイス・サポートを求めます。

4:苦痛の緩和ケア

苦痛の緩和とは、身体的・精神的苦痛を和らげるために支援することです。
看護師は患者さんやその家族が抱える苦痛を理解し、緩和のためのケアを施し、日常生活がより快適になるようサポートします。

また状況に応じて、看護師は患者さんや利用者さんの代弁者として、患者さん、利用者さん本人が本当に望む治療やケアを受けられるよう、医師や家族にはたらきかける役割も担います。

看護師の重要性とは?

看護師は、医療現場において患者さんの健康を支えるうえで、不可欠な存在です。医師の診察や治療の補助だけでなく、患者さんの身体的・精神的ケアを通じて、医療の質を向上させる役割も担っているのです。

看護師の存在が特に重要なのは、患者さんと最も近い距離で接する職種だからです。医師の診断や治療のサポートに加え、患者さんの小さな変化をいち早く察知し、適切な対応を取ることで、患者さんの安全や症状の回復につなげることができます。

また、看護師は患者さんやその家族とのコミュニケーションを通じて、不安を軽減し、治療への意欲を高める存在だと言えるでしょう。

さらに、高齢化社会の進行に伴い、在宅医療や地域医療における看護師の役割はますます重要となっています。訪問看護や地域包括ケアにおいて、看護師には多職種と連携し、医療依存度の高い高齢者の生活を支えるキーパーソンとなることが期待されているのです。

看護師は、医療チームの中心的存在として患者の回復を支えるとともに、医療機関や社会全体の健康維持に貢献する重要な職業です。

まとめ

今回は、看護師の仕事の内容やその重要性について解説しました。

看護師は、医療・福祉の現場で患者さんに寄り添い、心身のケアを行う重要な役割を担っています。看護師が異常を早期発見し、最適な処置やケアにつなげることは、より良い医療を提供する上で不可欠です。

看護師は、自分の判断が患者さんや利用者さんに影響を及ぼす場面も多く、責任の大きい仕事ですが、その分やりがいを感じられます。

改めて、看護師としての役割を振り返り、今後自分がどういうキャリアを歩みたいのか、理想の看護師像を実現するにはどうすれば良いのかを見つめ直してみてはいかがでしょうか。

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