訪問看護はきつい?大変といわれる6つの理由とステーションの選び方

訪問看護の需要は、将来ますます高くなることが予測されます。公益財団法人日本訪問看護財団が公表した「訪問看護の現状とこれから 2022年版」では、訪問看護ステーションの事業所数が2010年以降の10年間で約2倍に増加していました。

訪問看護師は利用者さんやそのご家族が在宅で安心して過ごすために重要な存在ですが、その働き方が「きつい」「大変」といわれることもあります。
この記事では、訪問看護師の仕事が大変だと言われている理由や負担を減らす方法、さらに自分に合ったステーションの選び方を詳しくご紹介します。今後、訪問看護師として働くかどうか悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください。
出典:「訪問看護の現状とこれから 2022年版」(公益財団法人日本訪問看護財団)

訪問看護がきついといわれる6つの理由

訪問看護は在宅療養を必要とする人のご自宅に訪問し、必要なケアを提供するサービスです。病棟を担当する看護師とは異なり、その多くは訪問看護ステーションに属しています。

訪問看護師の仕事は、大変だと感じる人もいます。ここからは「訪問看護がきつい」といわれる6つの理由をひとつずつ確かめていきます。

利用者さんに一人で対応する必要があるから

訪問看護では基本的に一人で利用者さんのもとを訪問し、ケアを提供します。訪問中・訪問後に電話やメール、SNSで先輩や上司に相談できるものの、一人で対応することに不安を感じる人は少なくありません。

一般的に緊急時の対応フローは定められていますが、最初の判断は自分で下す必要があり、プレッシャーがかかります。

オンコール対応が必要だから

訪問看護ステーションでは営業時間外や休日の緊急呼び出しに対応する「オンコール」が導入されていることが多く、一般的に当番制で専用の携帯電話を携え自宅で待機する必要があります。

オンコール当番の際は常に電話を気にしなければなりません。「休みなのに休めない」と感じることもあるでしょう。オンオフをしっかり区別したい人にとっては負担に感じてしまうかもしれません。

体力的な負担が大きいから

訪問看護は利用者さんのご自宅に赴いてケアを提供しますが、ケアが必要な人が過ごす部屋や浴室、廊下などにケアに欠かせない設備が備わっていないこともしばしば。時には狭いお風呂や足場の悪い場所で移動介助をする必要があるため、体力面で負担を感じる人も多く見られます。

また雨や炎天下であっても、自力で利用者さんのご自宅に訪問する必要があります。病棟やクリニックなどと比べると移動による体力の消耗が大きいと考えられます。

ご家族とコミュニケーションする機会が多いから

病院やクリニックでも患者さん本人とコミュニケーションを多くとりますが、訪問看護ではそれに加えてご自宅を訪問することもあり、ご家族とも緊密に連携を図ります。

長く訪問し関係が構築できれば大きな問題は発生しませんが、最初のうちはすべての行動を監視されているように感じ、前任者や他の訪問看護ステーションと比較されることもあるでしょう。サービスを受ける側の自宅に訪問することに違和感を覚え、ストレスを抱える看護師は少なくありません。

他職種との連携が必要だから

訪問看護師は一緒に働く看護師やリハビリスタッフだけでなく、利用者さんの主治医やケアマネジャー、訪問ヘルパーをはじめとする多くの職員と連携しながらケアを提供しなければなりません。

職種によって意見や考え方にズレが生じ、連携がうまくいかずにストレスを感じてしまうこともあるでしょう。一方で、幅広い職種の人員とコミュニケーションを図り、コミュニケーション能力を上げ、知識の幅が広がるメリットもあります。

訪問看護師として働くメリットとデメリットについては、以下の記事で詳しくご紹介しています。
【訪問看護への転職】メリット・デメリットや成功のポイント

訪問看護の仕事がきついと感じたときの対処法

ここまで紹介した通り、確かに訪問看護の仕事内容は病棟やクリニックとは違った難しさがあるかもしれません。

一方で、訪問看護には次のような魅力があります。

・利用者さんの意思を踏まえたうえで適切なケアができる
・より深く利用者さんと関わることができる
・ワークライフバランスを整えやすい

ここからは訪問看護の仕事を長く続けていくために、訪問看護の仕事が「きつい」と感じたときの対処法をご紹介します。現在、訪問看護師として働いている人も、これから働こうと思っている人もぜひ参考にしてください。

職場に悩みを相談する

訪問看護師として働く上で体力面に不安を抱えている人、人間関係に悩んでいる人は、職場に悩みを相談すると状況が改善する可能性があります。

体力面に不安を抱えている場合、ステーションによっては1日の訪問件数や、シフトを調整してもらえることもあります。

また、訪問先の人間関係にストレスを感じるのであれば、訪問先を変更してもらえるかもしれません。ただ、職場の人員が不足している場合は、希望が通るとは限らないことを理解しておきましょう。

自分にあったストレスの発散方法を見つける

仕事が終わった後や休日は一旦仕事のことを忘れ、リフレッシュすることも大切です。しっかりとオンオフの区別をつけて意識的に休息すれば、より仕事に集中できます。休日にだらだらと過ごしたり寝すぎたりしていると、かえって疲労が溜まることもあるため、心身のリフレッシュを意識して過ごしましょう。

適切な食事や睡眠をとって肉体的な疲労を回復するのはもちろん、趣味に没頭する時間をつくると、ストレス耐性が高まるといわれています。運動をして汗を流したり映画鑑賞やショッピングをしたりなど、自分のやりたいことを見つけましょう。

ストレスを解消する方法は一人ひとり異なります。ぜひ自分に合った方法を見つけてみてくださいね。

転職を検討する

上記の対策を実践しても状況が改善しない場合は、転職を検討するのもひとつの手です。看護師免許を持っていると病院やクリニックだけでなく、介護施設や保育園、一般企業に勤務する上で有利に働く可能性があります。

どのような職場で働くにせよ、やりがいを持って長く働くためには、自身が思い描くキャリアプランに合う職場を探す必要があるでしょう。

現在、訪問看護師としての仕事に魅力を感じていない場合は、訪問看護以外の職場を探すのもよいでしょう。ただ、もし「訪問看護師の仕事にはやりがいを感じている」という場合は、職種を変えるのではなく、より自分の希望条件に合った訪問看護ステーションを探すのもいいかもしれません。

これまでの経験が生かせる自分にあった職場を探すなら、専門の転職エージェントへ相談するのがおすすめです。スマイルナースでは、1996年の設立以来、看護師を専門とした転職サポートをしています。

介護施設をはじめ、病院、クリニック、保育施設など、あらゆる業種や勤務条件から求職者に合った求人をご紹介しております。まだ転職をお悩み中の人も、ぜひお気軽にご相談ください。

業務のきつさを左右する?訪問看護ステーションの選び方

最後に、現在転職を検討している人に向けて、訪問看護ステーションの選び方をご紹介します。

業務形態を確認する

働き方は、勤務先のステーションによって大きく異なります。例えば施設への訪問がメインのステーションの場合は移動が少なく、体力面の負担も少ない傾向にあります。

住まいを訪問するのがメインの場合は、天候に関係なく利用者さんのご自宅に向かう必要があります。体力面で負担を強いられる一方、移動中の給与は発生しないこともあるため、勤務形態や条件はチェックしておきましょう。

オンコール対応の有無や頻度を確認する

オンコール対応の有無や頻度は、働きやすさを大きく左右します。オンコール対応がない場合は、身体的・精神的な負担が少ない状態で働くことができます。

また、オンコール対応がある場合も、頻度と手当をしっかりチェックすることをおすすめします。担当する回数やコールが鳴る頻度が少ない場合は、それほど大きな負担を感じることはないでしょう。

まとめ

この記事では訪問看護が「きつい」「大変」と言われる理由や、その対処法について詳しくご紹介しました。確かに訪問看護は大変な仕事ではありますが、慣れると大きなやりがいを感じます。また、人によってはワークライフバランスを保ち働けるのがメリットです。

今後転職を考えている看護師は、ぜひ選択肢のひとつとして訪問看護を考えてみてはいかがでしょうか。

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