看護師としてのキャリアアップや専門分野での活躍を目指して、転職を検討している人も多いのではないでしょうか。転職活動を有利に進めたいのなら、転職先で役立ちそうな資格を取るのもひとつの方法です。とはいえ、転職する目的に応じて、有利になる資格は異なります。
そこで今回は、キャリアアップに近づく資格を5選、専門分野で役立つ資格を3選、紹介します。加えて、資格を取得するメリットを具体的に解説します。
転職を考えている人はぜひご覧ください。
転職を有利にしたい看護師が資格を取得するメリット
看護師が資格を取ると、さまざまなメリットがあります。
・転職の幅が広がる
・キャリアアップを目指せる
・給与面の交渉がしやすくなる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
転職の幅が広がる
看護師が資格を取得すると、転職先の選択肢が広がります。認定看護師や専門看護師、ケアマネジャーなど、有資格者が必須条件の求人にも応募することが可能です。
また、有資格者が優遇されるケースもあります。
キャリアアップを目指せる
資格を取得すると、転職でキャリアアップが目指せます。たとえば、認定看護師の資格を取得すると、病院やクリニックなどで指導・相談役として働ける可能性があります。
専門看護師や助産師などの資格を取っておけば、より専門的な分野で活躍できるようになるでしょう。いま携わっている分野とは違う、新たな分野にチャレンジできます。
給与面の交渉がしやすくなる
資格を得ると給与面の交渉がしやすくなります。資格は自分の知識やスキルの証明になるためです。特に転職先が求めている資格があれば、新たな職場に入る前に交渉が有利に進む可能性があります。
資格手当がつく病院やクリニックに転職すれば、交渉することなく給与アップが見込めるでしょう。
キャリアアップを目指す看護師の転職に有利な資格5選
看護師が資格を取得することにはさまざまなメリットがありますが、手当たり次第に資格を取るのがいいとは限りません。
「キャリアアップしたい」「専門分野で活躍したい」など、目指す方向性によって役立つ資格の種類が異なります。
自分のキャリアプランを立てた上で、役立つ資格は何か考えることが大事です。ここでは、キャリアアップを目指す看護師の転職に有利な資格を5つ紹介します。
認定看護師
認定看護師とは、特定の看護分野で熟練した知識・技術をもつことを証明できる資格です。クリティカルケア、緩和ケアなど、全部で19の分野が用意されています。(※2022年10月時点)
認定看護師の資格があると、ほかの看護師への指導・相談などの業務にも当たることができます。
取得条件
認定看護師になるには、以下の両方を満たさなければなりません。
・認定看護師教育機関に入学・修了する
・日本看護協会が実施する認定試験に合格する
認定看護師の認定試験を受けるには、以下の条件を満たす必要があります。
・看護師免許を取得している
・実務研修が通算5年以上ある(うち3年以上は認定看護分野の実務研修)
専門看護師
専門看護師とは、複雑で解決が難しい症状・看護問題を抱える患者さんやその家族などに対し、高水準の看護ができることを証明できる資格です。がん看護、精神看護など、14の分野が用意されています。
専門看護師の資格を取得すると、看護の質の向上や看護学・保健医療福祉の発展に貢献できます。
取得条件
専門看護師の取得条件は、認定試験に合格することです。
ただし、専門看護師の取得後も、5年ごとに書類審査を受けて更新しなくてはなりません。なお、専門看護師の認定試験を受けるには、以下の条件を満たす必要があります。
・看護師免許を取得している
・実務経験が通算5年以上ある(うち3年以上は専門看護分野の実務研修)
・看護系大学院修士課程を修了している
ケアマネジャー
ケアマネジャーとは、要介護者や要支援認定者の相談・対応ができることを証明する資格です。介護を必要とする人と、自治体や介護施設などをつなぐ役割も担います。
日本は高齢化によって介護分野の需要が増えているため、訪問看護師としてキャリアアップしたい人にもおすすめの資格です。
取得条件
ケアマネジャーの取得条件は、以下の両方を満たす必要があります。
・介護支援専門員実務研修受講試験に合格する
・介護支援専門員実務研修を修了する
ケアマネジャーの試験を受けるには、以下のいずれかを満たす必要があります。
・医師、看護師、薬剤師などの保健医療福祉分野で、国家資格に基づく実務経験が通算5年以上(従事した日数が900日以上)ある
・介護施設などで相談援助業務に従事している
呼吸療法認定士
呼吸療法認定士とは、呼吸療法の知識や技術をもつことを証明する資格です。呼吸器系の診療科や病院で活躍したい人に向いています。
取得条件
呼吸療法認定士を取得するには、以下の両方が求められます。
・認定試験に合格する
・講習会を受講する
呼吸療法認定士の認定試験を受けるには、以下の両方を満たす必要があります。
・看護師の実務経験が2年以上ある(准看護師の場合は実務経験が3年以上)
・申請書提出日までの5年以内に、呼吸療法認定士の認定委員会が認める講習会や学会に出席し、12.5点以上を取得している
保健師
保健師は、厚生労働省が認可する国家資格のひとつです。子どもから高齢者まで、すべての世代の人が健康に生活できるよう、必要な保険サービスを提供してサポートします。
介護施設や訪問看護ステーションで働きたいと考えている方は、取得すると有利になるでしょう。
取得条件
保健師の取得条件は、以下のとおりです。
・保健師国家試験に合格する
保健師の国家資格試験を受けるには、以下のいずれかの条件を満たす必要があります。
・看護師免許を取得後、看護系大学で保健師選択課程を修了している
・看護系大学院で2年、または看護大学専攻科・別科や保健師養成所などで、1年間の専門教育を修了している
公務員である行政保健師として働く場合は、これとは別に公務員試験を受験し、合格しなくてはなりません。
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続いて、特定の専門分野で活躍したいと考えている看護師の転職に有利な資格を3つ紹介します。
助産師
助産師とは、妊娠・出産・産後の介助や保健指導をするための、専門の国家資格です。助産行為は医師か助産師しか行えません。
助産師の資格があると産婦人科で活躍できます。分娩介助で手当がつく病院に転職すれば、給与アップも狙えるでしょう。
取得条件
助産師の取得条件は、以下のとおりです。
・助産師国家試験に合格する
助産師国家試験を受けるには、以下のすべての条件を満たす必要があります。
・女性である
・看護師免許を取得している
・大学院・専門職大学院・短大専攻科・助産師養成所などで教育・実習を1年以上受け、助産師課程を修了もしくは助産師養成所を卒業している
認知症ケア専門士
認知症ケア専門士とは、認知症のケア・サポートを行うために必要な知識やスキルをもっていることを証明する、日本認知症ケア学会実認定の民間資格です。
高齢者が増加するなか、認知症の患者様と接する機会は増えています。そのため、認知症ケア専門士の資格を取得しておくと、ほかの病院や介護関係の施設への転職が有利になるでしょう。
取得条件
認知症ケア専門士の取得条件は、以下のとおりです。
・認知症ケア専門士の一次試験(筆記)、二次試験(論述、面接)に合格する(2022年度は面接試験中止)
認知症ケア専門士の試験を受けるには、以下の条件を満たす必要があります。
・2012年4月1日から2022年3月31日までに、認知症ケアに関する施設などでの実務経験が3年以上ある
臨床心理士
臨床心理士とは、臨床心理学に基づき患者さんの精神面の改善・援助を行えることが証明できる、日本臨床心理士資格認定協会認定の民間資格です。
心療内科や精神科への転職を目指す場合は、臨床心理士の資格があると有利になるでしょう。スクールカウンセラーになる際におすすめの資格でもあります。
取得条件
臨床心理士の取得条件は、以下のとおりです。
・認知症ケア専門士の一次試験(筆記)、二次試験(面接)に合格する
臨床心理士の試験を受けるには、以下のいずれかを満たす必要があります。
・指定大学院の1種・2種を修了し、受験資格取得の所定条件を満たしている
・臨床心理士養成に関する専門職大学院を修了する
・諸外国で指定大学院の1種・2種のいずれかと同等以上の教育歴がある
・医師免許取得者で、取得後2年以上の心理臨床経験がある
まとめ
資格を取得しておくと転職活動が有利に進みやすくなります。転職先が求める資格や、希望の分野でどんな資格が役立つのかを調べてみましょう。
ただし、転職活動をスムーズに進めるには、資格の取得だけでなく求人の見極めが重要です。自分に合った職場への転職を目指すため、求人票だけではわからない内部情報もしっかりと収集しましょう。そのためには、転職エージェントの利用がおすすめです。
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