看護師がすぐ辞めるとどうなる?転職への影響やとるべき行動を解説

看護師がすぐ辞めるとどうなる?転職への影響やとるべき行動を解説

看護師がすぐ辞めるとどうなる?転職への影響やとるべき行動を解説

転職をしたものの、職場の方針や雰囲気が合わずに「すぐに辞めたい」と考える看護師は少なくありません。すぐに辞めてしまうと、それが経歴に残ることになります。「次の転職時に不利になるのではないか」と不安を抱く人も多いのではないでしょうか。

この記事では、看護師が仕事を辞めたくなる主な理由と、入職後すぐに辞めたくなったときにとるべき行動や注意点、転職で失敗しないためのポイントを解説します。今まさに転職を考えている看護師は、記事の内容を参考にしながら、自身の状況を客観的に見つめてみましょう。

看護師を辞めたい理由に多くあがるのは?

看護師として働くなかで悩みや不満を抱え、職場を辞めたいと思った経験のある人は多いのではないでしょうか。それぞれの状況や考え方、職場環境などにもよりますが、主に以下の6つの理由があげられます。

人間関係が上手くいっていない

看護師の離職理由で多くあがるのは、人間関係に関するものです。

忙しくプレッシャーの大きいなかで日々の仕事をしていれば、誰しも余裕が持てなくなります。つい厳しく指導してしまったり、話しかけられたときに冷たい態度をとってしまったりすることもあるでしょう。コミュニケーションが円滑にいかずストレスが積み重なると、人間関係の構築は困難を極めます。

看護師は、他の看護師や医師、リハビリスタッフなど、さまざまな職種と関わりながら仕事をします。他のスタッフとの折り合いが悪くなると、精神的な負担が大きくなり、仕事へのモチベーションも下がってしまいます。人間関係の悪化をきっかけに離職を考える看護師は多いものです。

夜勤が大変

夜勤が体力的にも精神的にも負担となり、離職を考える人もいるでしょう。

健康上や家庭の事情でどうしても夜勤ができない人を除き、病棟で勤務する看護師が、夜勤を避けて働くことはむずかしいものです。夜勤を続けていると生活リズムが崩れやすくなり、次のような悩みを抱える人も少なくありません。

● 睡眠不足による慢性的な疲労感
● 昼夜逆転による体調不良
● 夜間の緊急時対応によるストレス
● 家族との時間が合わないことによる不満 など

夜勤によるストレスや身体への負担が積み重なると、健康に悪い影響が及ぶリスクも高まります。また、家族と生活リズムがずれることですれ違いが起きてしまうことに悩む人もいます。結果として、日勤のみの職場への転職を希望する人が多くなるのです。

仕事の大変さと給料が見合わない

肉体的にも精神的にもハードな看護師の仕事ですが、仕事の大変さと給料が見合わないと感じることも離職の理由のひとつです。

看護師の給料は、一般的な会社員と比較すると高いと思われがちです。しかし、重症度が高い患者の対応や緊急時の患者の受け入れ、命に関わるような処置の介助など、プレッシャーの大きな業務内容に対して、報酬が十分でないと考える看護師もいることでしょう。

また職場によっては、患者の最期の場面に直面することもあります。ストレスや喪失感など、精神的な負担が想像以上に大きくなることもあります。仕事の大変さや心身の負担の大きさに対し、給料が見合わないと感じれば、仕事を続ける意欲を失うことにもなりかねません。

休暇が取りづらい

看護師の勤務形態はシフト制が多く、休暇がとりづらい傾向にあります。休暇を取得して勤務に穴を開けてしまうと、他のスタッフがその人の分の業務を補わなければならず、一人ひとりの業務量や負担が増えます。他のスタッフに気を遣うあまり、全員が休暇を取れないという悪循環に陥ってしまう職場も少なくありません。思うように休めないまま勤務を続けていると、仕事の疲れやストレスをうまく解消できず、心身が疲弊してしまいます。

また子育て中の看護師の場合は、子どもの体調不良により保育園から呼び出されたり、急に休みを取らなければならなかったりする場面がどうしても出てきます。休暇が取りづらい環境は、仕事を続けるうえでの大きな障害となります。

責任が重い

プレッシャーや責任の重さから、看護師を辞めたいと考える人もいるでしょう。

看護師は、患者の命に関わる重要な責任を負っています。勤務中の不注意で起こった小さな失敗や伝達ミスが、のちに大きな事故につながることもあるのです。もちろん、仕事に関して適度な緊張感を保つことは大切です。とはいえ、緊張感やミスに対する不安が大きくなりすぎると、業務を続けること自体がむずかしくなってしまいます。

とくに経験年数の浅い人や、人一倍責任感の強い人は、そのプレッシャーに耐えきれず、離職を選択してしまう傾向にあります。

看護師に向いていなかった

看護師に向いていないと感じて、仕事を辞めたいと考える場合もあります。

とくに経験が浅いうちは、失敗が重なった、患者とのコミュニケーションが上手くいかなかった、緊急時の判断ができなかったなど、さまざまな出来事をきっかけに「自分は看護師に向いていないのではないか」と不安になることもあるでしょう。不安を抱えたまま業務を続けることで、十分な能力を発揮できず、さらに自信を失ってしまうといった悪循環に陥ってしまいます。

看護師として長く働くイメージができなくなってしまった場合、現状を維持しながら仕事を続けるのはつらいことです。自身に合った新たな環境を見つけるために、退職を選択をする人もいます。

看護師のキャリアステージ別の辞めたい理由

看護師が辞めたいと思う理由は、それぞれのキャリアステージによっても異なります。新人・中堅・ベテランそれぞれの立場で、直面する悩みは変化するからです。それぞれのステージごとによく挙げられる理由について見ていきましょう。

新人の場合

新人や経験が浅い看護師が辞めたくなるのは、慣れない職場でのストレスや、理想と現実とのギャップによるところが大きいでしょう。

とくに看護師になって1年目は経験不足や知識不足から生じる不安やストレスを抱きやすいものです。ミスをして周囲に迷惑をかけたり、失敗がトラブルに発展した経験をしたりすることで、「自分は看護師には向いてないのではないか」と思い詰めてしまう人もいます。また、先輩看護師とのコミュニケーションのむずかしさや、想像以上の業務量、責任の重さから、看護師を続けるモチベーションが下がってしまうこともあるでしょう。

看護師として働くことに、大きな理想を抱いて入職したにもかかわらず、現実とのギャップに直面し、離職を考える人が多いのがこの時期です。

中堅の場合

一通り業務を一人でこなせるようになった3年目以降の看護師には、新人の頃とは異なる悩みが出てきます。多くの病院では、3年目以降にプリセプター業務やリーダー業務など、後輩を指導したりフォローしたりする役割を任されます。通常の業務に加え、人を育てる責任やチームをまとめる負担が増えれば、つらいと感じる人も出てくるでしょう。

また、初めての部署異動を経験するのもこの時期です。異動後は新たに覚えなければならないことも多く、慣れない環境や人間関係に馴染めず、ストレスを溜めてしまうこともあります。異動をきっかけに人間関係の悩みを抱いたり、仕事のやりづらさを感じたりし、退職や転職を検討する人もいます。

ベテランの場合

ベテラン看護師が辞めたいと考える理由の多くは、家庭の事情や身体的・精神的な疲労によるものです。

経験年数が10年を超える30代・40代は、子育てや親の介護など、プライベートが忙しくなる時期と重なります。今までと同じように頻繁に夜勤や残業があったり、休みが思うように取りづらかったりすると、仕事を続けるのがむずかしいと感じるようになるでしょう。つまり、ワーフライフバランスを見直すために転職や離職を考える人が増えるのです。

また、年齢を重ねるにつれて体力の衰えを感じる人も増えてきます。夜勤のない職場や診療時間が固定されているクリニックに魅力を感じ、転職を考えるケースもよくあります。

看護師が入職後すぐに辞めると今後の転職に影響する?

新しい職場に転職してすぐに辞めることに、なにかしらのデメリットがあるのではないかと感じる看護師は多いのではないでしょうか。しかし、状況や理由によっては、さほど影響しないこともあります。

試用期間中なら理解されやすい

看護師が新しい職場に入って1ヶ月~半年間は試用期間となります。この期間は試験的に採用されている状態です。試用期間中に働くうえで違和感を覚えたり、当初聞いていた労働条件と異なったりしていれば、退職を申し出ても理解を得やすいでしょう。

また、試用期間中の退職であれば、採用側へのダメージも小さい傾向にあります。たとえば人材紹介会社からの紹介であれば、仲介手数料が返金されるケースもあるからです。
とはいえ、せっかく入職した職場を早々に辞めるのはもったいないことです。試用期間中に気になることがあれば、その旨を上司に相談すると良いでしょう。相談を受けて環境を整えてもらえれば、辞めたいという気持ちも変わるかもしれません。

理由によっては仕方がないケースもある

上司への相談ではどうにもならないほど職場の労働環境が悪いなら、退職を検討しましょう。以下のような状況であれば、すぐに転職すべきです。

● 希望した条件と大きな乖離があった
● いわゆるブラック企業のような働き方を求められる
● 職場内でいじめがある
● 求人情報に虚偽の内容が記載されていた

自分に合わない環境で無理をしながら働き続けると、いつか心身が壊れてしまうかもしれません。自分を守るためにも、早めに転職するのがおすすめです。
なお、このような理由で転職する場合は、転職を検討する先での採用面接時に退職理由をきちんと伝えましょう。短期間での転職はマイナスイメージを抱かれやすいものですが、事情によっては、やむを得ないと受け入れてもらえるからです。

看護師が入職してすぐに辞めたくなったときにとるべき行動

看護師が新しい職場へ入ってから、すぐに「辞めたい」と思ったときは、どうすべきなのでしょうか。

辞めたい理由をしっかり考える

まずは、なぜ辞めたいのかを考えてみましょう。具体的な理由がなければ、上司に退職の意思を示すときに毅然とした態度でいられません。仮に労働環境が改善すれば辞めずに済むことだったとしても、問題点を明確に伝えなければ解決するのは困難です。

なんとなく居心地が悪い、仕事がやりにくいといったことが理由であれば、まだ新しい職場に慣れてないだけかもしれません。心身に不調をきたすような状況でなければ、慣れるまでもう少し頑張ってみるのも良いでしょう。

上司に相談してみる

「辞めたい」と感じる理由が明確にある場合には、上司や先輩に相談するのもおすすめです。入職前に聞いていた労働条件と異なっている点があるなら、相談することで改善されることもあります。

職場を辞めるのは簡単です。しかし、むやみに辞めようとするのではなく、まずは身近な人に相談することが大事です。自分の悩みに対し、解決策を一緒に考えてくれる上司や先輩がいるなら、むしろ良い職場といえるでしょう。

異動を希望する

配属された部署の環境や事前に聞いていた労働条件に不一致を感じる場合、異動をすることで現状を変えられるかもしれません。条件との不一致が理由なのであれば、上司に異動の相談をしてみましょう。

採用する側にとっても、人員が減るのは痛手です。退職しなければならないほどの苦しみを感じていることと、異動希望を伝えれば、職場も調整してくれるでしょう。

看護師が転職ですぐに辞める際の注意点

転職後、すぐに辞める決断をした場合、どんなデメリットがあるのでしょうか。ここでは注意点を2つあげます。

次の転職で不利になるケースもある

どんな理由があっても、転職したばかりの職場をすぐに辞めたという事実は残ってしまいます。履歴書や職務経歴書にはこれまでの経歴をすべて書かなければなりません。隠し通していくのは大変です。

転職希望先に退職理由を伝えられる機会があれば良いですが、書類選考の段階では「すぐに辞めた」という事実だけが先行し、不利になるケースもあります。

採用面接の場でも、なぜ前職をすぐに辞めてしまったのか、必ず聞かれます。その際、退職理由をきちんと説明できるよう、面接対策をしておくことが重要です。

すぐに辞める癖がついてしまう可能性がある

何度も退職を繰り返していると、知らず知らずのうちに辞め癖がついてしまうこともあります。看護師に限らず、職場をすぐ辞めることに抵抗がなくなり、「嫌なことがあれば辞めればいいか」と、転職を繰り返してしまう人は多くいます。

明確な理由なく職場を変え続けると、その後の転職活動に悪影響を及ぼします。なんとなく合わない、居心地が悪いという理由だけで辞めるのは、控えましょう。

前職を辞めてすぐの看護師が転職で失敗しないためには

前職を短期間で辞めて、転職活動をしている最中という看護師もいるのではないでしょうか。前職で苦労して転職活動をするからには、次はなおさら長く働ける職場を選びたいところです。最後に、転職で失敗しないためのコツを2つ解説します。

転職後のミスマッチを減らす

転職後にすぐ辞めたくなってしまう理由のひとつに、思い描いていた労働環境のイメージとのミスマッチがあげられます。転職前に「いざ働き始めてみたら、思っていたのと違った」といったミスマッチを極力減らすことができれば、長く働き続けられる可能性は高くなるでしょう。

そのために、前職をなぜ辞めることになったのかを分析しましょう。その上で、辞めた原因が再び発生しない職場を選ぶようにしましょう。
まずは労働条件から職場の雰囲気、実際に働いている看護師の口コミまで、調べられる限りの情報を集めます。とはいえ、求人情報だけでは分からないこともあります。職場見学を受け入れている職場であれば、足を運んでみるのも良いでしょう。

早期退職を繰り返すことで、経歴に傷がついてしまいます。ときには周囲にアドバイスも求めつつ、自身にとって理想の職場の姿を具体化し、同じ理由で退職することのないようにしましょう。

転職エージェントのサポートを受ける

自分に合う職場を見つけるためには、たくさんの求人情報を見比べることが重要です。豊富な求人情報に目を通せば、理想とする職場も見つかりやすくなるでしょう。

また、転職活動をひとりだけで進めるのはおすすめしません。転職事情や業界動向に詳しい人からのサポートを受ければ、自分の希望やスキルに合う職場を選んだり、入職前に採用側と条件交渉を行ったりといったことがスムーズに進むものです。

看護師の転職支援に特化したスマイルナースには、求人情報が豊富に揃っています。施設形態別、診療科・配属別に求人情報をチェックでき、希望条件に合う職場を見つけやすいのが特徴です。

転職活動で行き詰まったときには、転職コーディネーターからアドバイスを受けることもできます。「もう転職で失敗したくない」「希望の職場へ転職をしたい」と考えている看護師の方は、ぜひスマイルナースの利用をご検討ください。

まとめ

転職活動には、時間と体力・精神力が必要です。苦労して転職した職場をすぐに辞めるのは避けたいものです。
やむを得ない理由があるのなら、早々に辞めるのも手です。しかし、辞めなくても済む方法があるのであれば、退職を決める前に環境改善に向けて動いてみることをおすすめします。

転職後、またすぐに転職をする状況になった際は、前職を辞めた理由をしっかり分析し、同じ失敗を二度と繰り返さないよう、肝に銘じましょう。また転職エージェントの力を借りることも、検討してみてください。

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