ホワイトな病院とは、院内の体制が整っており、働きやすい病院を指します。一方、サービス残業がある、人間関係が悪いといった病院はブラックな病院と呼ばれます。
できればホワイトな病院に勤めたいものですが、求人票の情報だけで実際の労働環境を判断することは難しいでしょう。
本記事では、ホワイトな病院の見分け方について解説いたします。今の職場でつらい思いをしているという看護師は、転職も視野に入れながら記事をご覧ください。
ホワイトな病院の特徴7つ
ホワイトな病院の特徴を7つご紹介します。
今の勤務先に当てはまる項目が少ない場合は要注意です。ひとつずつチェックしていきましょう。
教育体制が整っている
ホワイトな病院は新人看護師や中途採用の看護師がスムーズに仕事を覚えられるよう、教育体制を整えています。具体的には、先輩看護師からの1対1の指導を受けられるプリセプター制度が導入されている、業務マニュアルがしっかりと準備されているといった内容です。
自己学習も大切ですが、初めての業務に関して「自分で見て覚えましょう」と突き放しがちな病院は要注意です。
有給休暇・代休が取りやすい
有給休暇は労働者の権利です。雇用先企業(法人)は労働者に対し、年5日の有給休暇を取得するよう法律で義務付けられていますが、突発的な出来事が多い医療現場では、自由に有給休暇や代休を取得しづらい環境にあります。
それでもホワイトな病院は、業務をしっかり分担し、有休や代休を取得しやすい環境を作っています。また、スタッフ全員が有休を取れるように譲り合ったり、協力し合ったりする職場は、有給が取得しやすく、働きやすい病院の特徴のひとつです。
有給休暇の取得率を公表している病院もあります。一度チェックしてみましょう。
職員の経験年数が幅広い
経験豊富なベテラン看護師から、伸びしろのある若手看護師まで幅広く在籍する病院は、一人ひとりに活躍の場が与えられるホワイトな病院といえます。
ベテラン看護師ばかりだと人間関係が固定化されがちで、逆に若手看護師ばかりだと業務がスムーズに進まないなどのデメリットが発生します。
また、働きやすい環境がある職場では、辞めたいと思う人が少ないものです。ある程度経験を積んだ中堅スタッフが転職せず、職場に残っていることもホワイトな病院の特徴のひとつでしょう。
労働環境が整っている
看護師が実際に働く病棟の環境はとても大切です。
具体的に、以下のような環境が整っている病院は、ホワイトな職場といえるでしょう。
・業務中の困りごとや不明点を、看護師長や主任といった上司に相談しやすい
・看護補助者や清掃業者がいて、院内が常に清潔である
・物品や書類が整理されている
・業務で使用するソフト(Microsoft Officeなど)が最新バージョンで使用できる
また、医療物品や業務システム・ソフトに関する要望にも柔軟に対応をしてくれるため、安心して働くことができます。
評価制度が整っている
評価制度は働きぶりを正当に認めたり、自身のモチベーションを高めたりする上で重要な指針となります。
人事評価システムを導入している病院では、看護師が普段困っていることや不満を管理者が吸い上げる機会が多くあります。その内容に応じて、解決に動いてくれるケースも多いです。
また、評価制度が整っている病院では、フィードバックの機会もあります。定期的に上司との面談の機会が設けられ、自身をどのように評価しているか、今後期待していることなどを聞くことができます。
残業時間が少ない
業務分担が明確な病院では、看護師間の連携がスムーズに進み、残業時間が少なくなる傾向にあります。
患者さんの急変や緊急入院の受け入れなどで突発的に残業が発生することはあっても、通常は定時に帰宅できます。また、残業が発生した場合にも、明確な基準をもとに手当が支給されます。
病院の看護師は、配属先や診療科によって残業時間に変動があります。例えば、慢性期病棟や精神科病棟、皮膚科では患者さんが急変する事態が少なく、残業も少ない傾向にあります。そのほか、透析室では透析時間が固定されており、残業は多くありません。
良好な人間関係を築けている
看護師は医療スタッフの中でも、特にスタッフ間のコミュニケーションが多く求められる職種です。院内の人間関係が良好であればあるほど働きやすく、ホワイトな病院であるといえます。
特定のスタッフばかりが親密に連携するのではなく、すべてのスタッフが業務に必要なことや困ったことを気兼ねなく話せる人間関係が理想です。
ブラックな病院を避けるためのチェックポイント3つ
ここからは転職活動において、ブラックな病院を避けるためのチェックポイントを3つご紹介します。
求人情報の内容は具体的か?
求人情報の内容を明確に記載している病院を選ぶと、入職後に「採用前に聞いていた条件と違う」といったギャップが生じにくいです。
あいまいな情報が多い場合や、「応相談」といった記載が多い場合は要注意。採用後に、希望とは異なる条件を提示されることがあります。
また、福利厚生に関して、社会保険完備や制服貸与など、病院であれば当然準備しておくべきものばかりを記載している求人情報にも注意すべきです。勤務先に良い待遇を期待している場合は、避けておくのが無難でしょう。
常に求人情報が出ていないか?
常に求人情報が出ている場合、労働環境が悪く、退職率が高い職場であることも考えられます。
退職率の高さはブラックな病院特有の要素です。人間関係が悪く、一人当たりの業務量が多いことから、人材が 定着していないことが予想されます。
経験者限定+大量募集の求人ではないか?
経験者限定で募集している職場は、まだ新人を指導する余裕がないことが予想されます。十分に職場のことを理解できていない状態のままで多くの業務を任せられるかもしれません。
加えて、経験者を大量募集している場合、離職者が多く出て人員が足りない職場であることが考えられます。
経験者限定と大量募集の一方のみであれば、職場の都合やタイミングなど、仕方ない場合もあります。ただし、経験者限定+大量募集の求人は避けておくのが無難です。
ホワイトな病院へ転職するためにすべきこと
ホワイトな病院へ転職する上で重要なのは、病院の内部事情です。
ここでは、病院の内部事情を把握するためのコツについてご紹介します。
転職先の下調べを行う
まずは、インターネットや看護雑誌などから、転職候補先の下調べを行いましょう。
業務内容、勤務する病棟、勤務時間、給与、休日といった基本情報はもちろんですが、看護体制や病床数もチェックしておくことが重要です。
医療機関の診療科や病床数といった基本情報は、ホームページから入手できます。看護部の専用ページがあれば、働くイメージも湧きやすいでしょう。
看護雑誌では、病院の概要や待遇など、就職活動に役立つ情報がまとめられています。ほかの病院と比較しながら労働条件を確認することが可能です。
また、口コミサイトではリアルな声を聞くことができます。看護師専門の口コミサイトもあるため、参考程度に見ておくと良いでしょう。
以下の記事では、転職活動の際にチェックしておくポイントをご紹介していますので、ぜひご覧ください。
「転職で後悔したくない看護師必見!転職を成功させる5つのポイント!」
職場見学で雰囲気や環境を確認する
転職候補先の病院は、できる限り職場見学をしておくことがおすすめです。資料や求人情報では分からなかった、実際の雰囲気を知ることができます。
職場見学でのチェックポイントは以下のとおりです。
・病院の雰囲気:外来入口、受付、待合室の雰囲気、スタッフの働く姿、看護師の年齢層 など
・病院の環境:院内は清潔か、医療機器や設備は整っているか など
・病院のアクセス:自宅や最寄り駅からの所要時間 など
収集した情報や感想を記録しておくと、後で比較検討がしやすくなります。職場見学の機会を活用して、転職活動に役立てましょう。
転職エージェントを利用する
ホワイトな病院へ転職するための最大のポイントは、転職エージェントを利用することです。
転職活動の情報収集には大きな労力が必要で、得られる情報も限定的です。転職エージェントは、病院の内部事情を詳しく知っているため、自分の希望条件に合った求人を紹介してくれます。
効率が良くなるだけでなく、自分一人では見つけられなかった求人に出会えることもあるでしょう。
また、看護師として働ける職場は病院に限りません。特に、クリニックや訪問看護ステーションでは、夜勤がなく、完全週休2日制の職場も多くあります。
看護師専門の転職エージェント「スマイルナース」では、業界経験豊富なコーディネーターが、あなたの希望に沿う職場をご提案いたします。
条件交渉や面接サポートなども可能で、初めての転職をする場合でもご安心いただけます。
ホワイトな職場への転職を実現させたい人は、ぜひ気軽にご相談ください。
まとめ
ホワイトな病院への転職を考えるなら、以下の3点をチェックしましょう。
・求人情報の内容は具体的か?
・常に求人情報が出ていないか?
・経験者限定+大量募集の求人ではないか?
また、病院の内部事情を把握するなら転職エージェントの活用がおすすめです。自分の希望に合った求人を紹介してもらいやすく、転職を効率的に進められます。
働きやすい職場で理想の看護師を目指せるよう、一歩一歩を大切にしていきましょう。