看護師の離職率は3年以内?転職・辞める人が多い理由やメリット・デメリット、対処法

看護師の離職率は3年以内?転職・辞める人が多い理由やメリット・デメリット、対処法

看護師として働き始めると、職場環境について、疑問や不安を抱くこともあるでしょう。なかには「本当にこの職場でよいのだろうか」と離職を考える人もいます。実際に、新卒看護師の“約2割”が3年以内に離職するという調査結果もあります。一方、「今の職場でとりあえず3年は続けた方がよい」という声もよく聞かれます。どうするべきか、悩む人も多いことでしょう。

この記事では、看護師が「とりあえず3年は今の職場で働くべき」といわれる理由、現在の職場で3年働くことのメリット、早期に辞めたくなったときの対処法などについて解説していきます。自身の今の状況に合わせ、最適な判断を下すための参考にしてください。

看護師の離職率はどのくらい?

まずは、看護師の離職率についてみていきましょう。

日本医療労働組合連合会の「2022年 看護職員の労働実態調査報告書」によると、勤続年数ごとの看護師の離職率は、以下のとおりでした。

 現職の勤続年数 離職率
1年未満5.90%
1~3年未満14.60%
3~5年未満12.30%
5~10年未満19.40%
10~15年未満15.90%
15~20年未満10.60%
20~25年未満8.80%
25~30年未満5.80%
30年以上6.70%

上記を参考にすると、現在の職場を3年未満で退職した看護師の割合(=離職率)は“20.5%”と、全体の約2割を占めています。また勤続5年未満の離職率は“32.8%”と、約3割にのぼります。

これらのことから、3年未満で転職・退職する人が多いことがわかります。また勤続年収が5年・10年・15年以上になっても離職率は10〜19.4%と高く、同じ職場で長く働き続ける看護師はそこまで多くないということも伺えます。

参照元:日本医療労働組合連合会「2022年 看護職員の労働実態調査報告書」

「看護師はとりあえず3年働いた方がいい」といわれる理由

「看護師はとりあえず3年働いた方がいい」

看護師として働くうえで、「とりあえず3年は同じ職場で働いた方がいい」という声を聞くことがあるかもしれません。これには、次の4つの理由が考えられます。

1.一人前の看護師として認められるため
2.職場の研修プログラムが完了するため
3.新人指導を経験できるため
4.転職先の選択肢が増えるため

それぞれ紹介します。

1:一人前の看護師として認められるため

約3年間の実務経験を積んだ看護師は、“一人前の看護師”としてみなされます。同じ職場で3年働き続けることで、「基本的な技術看護や知識・判断力がひととおり身についた」と認められるのです。

一般的に3年目までの看護師は、以下のような過程を経て成長していきます。

● 1年目:基本的な看護技術や知識を習得する
● 2年目:先輩の手が離れ、学んだことを実践していく
● 3年目:新人指導やチームリーダーとしての役割を任される

このように、新人看護師は少しずつ仕事内容の幅を広げたり、役割をステップアップさせたりしながら一人前の看護師へと成長するものです。そのため「同じ職場で3年は続けて働いた方がいい」といわれることが多いのです。

2:職場の研修プログラムが完了するため

医療機関の多くは、3年間を区切りとした研修プログラムを導入しています。病院により異なりますが、研修プログラムには以下のような内容が含まれます。

● 基本的な看護技術の習得
● 各種医療機器の取り扱い
● 緊急時の対応方法
● チーム医療における役割
● チームリーダーとしての役割 など

3年未満で退職してしまうと、研修プログラムを全て受けることができず、中途半端な状態で離職することになってしまいます。このことも「同じ職場で3年間は仕事を続けてから離職した方がよい」いわれる理由のひとつです。

3:新人指導を経験できるため

看護師として3年目になると通常業務に余裕が出てきます。そのため、新人看護師の指導も任されるようになります。プリセプター制度を導入している医療機関では、新人の指導やサポートを行うプリセプターを、3年目の看護師に任せるところも多いことでしょう。

新人指導の経験は、自身の看護師としての知識やスキルを見直し、高めることにもつながります。新人指導を通して自分自身も大きな成長を遂げることができるため、「3年間は今の職場で働き続けた方がよい」といわれるのです。

4:転職先の選択肢が増えるため

臨床経験が3年以上あると、転職時の選択肢が大きく広がります。中途採用を行う医療機関の多くは、臨床経験3年以上の看護師を求めているためです。

よりよい条件、より専門性の高い職場への転職を目指す人は、臨床経験を3年以上積んでおくとよいでしょう。キャリアアップのための大きな武器となります。

看護師が3年未満で辞める・転職するデメリットとは?

勤続3年未満の看護師が転職するにあたっては、デメリットが多くあります。とくに社会人になったばかりの新人看護師にとって、早期の退職は将来に大きな影響を与えかねません。

早期の退職を検討する際には、以下のデメリットがあることを把握しておきましょう。

● 十分な看護スキルが身につかない
● 次の職場での評価が低くなる可能性がある
● 転職先の選択肢が狭くなる
● 退職金がもらえなくなる

新卒看護師向けに3年間の研修プログラムを用意する職場にいた場合は、すべてのカリキュラムを終える前に職場を離れることになります。そうなれば、経験不足のまま別の職場に就くことに。中途採用の面接の際には、必ず前職での経験や身につけたスキルを問われます。相手に経験不足であるという印象を与えてしまうと、希望の職場やよい条件での転職がむずかしくなるでしょう。

また、早期に退職すると退職金がもらえないこともあります。退職金を受け取ってから転職したいと考えている人は、職場の就業規定を確認しておきましょう。

「とりあえず3年は看護師を続けたほうがいい」とされる看護師の特徴は?

3年以内に今の職場を辞めるかどうか迷っている人は、次の点を意識して確認するとよいでしょう。

1.職場環境が良好
2.転職先が決まっていない
3.悩みが改善する見込みがある

ここからはそれぞれについて解説します。

1:職場環境が良好

職場環境は、看護師として働き続けるうえで重要なポイントです。快適な環境で働けることは、ときにスキルアップや経験を上回る大きなメリットになりえます。

今の職場環境が良好なのであれば、3年を経過するまでは退職を先延ばしするのもひとつの選択肢でしょう。

働きやすい環境で仕事をしていると精神的な安定も得られやすくなり、看護師として前向きに働き続けることができます。職場環境がよいと感じられるのであれば、まずは今の職場でしっかりと経験を積むことをおすすめします。

2:転職先が決まっていない

転職先が決まっていない状態での退職は、理想の職場に就職できなかったり、ブランクが生じたりするリスクを高めます。退職してから次の職場を探そうとすると、就職を焦るあまり、理想と異なる職場に就職してしまうこともあり得ます。

「今よりも働きやすい職場で長く看護師として働き続けたい」という理由で転職を考えているのであれば、現在の職場での経験を積みながら、じっくりと次の職場を探すほうがよいでしょう。

3:悩みが改善する見込みがある

人間関係の悩みや知識・スキル不足が原因で現在の職場を辞めたくなっている人は、時間の経過とともにその悩みが解決するかもしれません。

大きな病院であれば、部署異動によりスタッフの人間関係が大きく変わることはよくあります。また、毎日の業務に一生懸命取り組むうちに、少しずつ知識やスキルが身についていきます。仕事に慣れていないことから生じる恐怖感や不安感は、徐々に改善していくでしょう。

時間の経過によって悩みが改善する可能性がある場合は、もう少し今の環境で仕事を続けてみてもよいでしょう。

「今の職場でとりあえず3年は働き続ける」ことでのデメリットは?

「今の職場でとりあえず3年は働き続ける」ことによってデメリットが生じることもあります。ここではデメリットについて、以下の3つの視点で解説します。

1.退職しづらくなっていく
2.時間を無駄にしてしまう
3.第2新卒として扱ってもらえなくなる

1:退職しづらくなっていく

同じ職場で長く働くことで、責任のある役割を任されたり、人間関係が深くなったりし、退職しづらくなることもあります。

重要な役割を任されていると、途中で辞めることに罪悪感を抱くかもしれません。後任者への引き継ぎも複雑化することでしょう。また、職場を変えることによって今までの人間関係が壊れてしまうことに不安を感じ、職場を離れることを躊躇する人もいます。これらのことは、退職のタイミングを逃す原因ともなりえます。

2:時間を無駄にしてしまう

「今の職場は自分に合っていない」と感じながら長期間働き続けることは、貴重な時間の損失というデメリットにもなります。特定の分野でスキルアップを目指したいと考えているものの、現在の職場ではその分野の経験を積めないということもあるでしょう。その場合は、早い段階で、目指すキャリアに合わせて転職するというのもひとつの選択肢です。

とくに女性は、結婚や出産といったライフイベントに左右されやすい傾向にあります。仕事に打ちこめる独身のうちに、より良い環境を求めて行動を起こすことも大切です。

3:第2新卒として扱ってもらえなくなる

“第2新卒”とは一般的に、社会人経験が3年未満の若手人材を指します。病院によっては、第2新卒は社会人経験が少なからずあり、看護・医療に関する基礎知識も有するとみなし、優遇するところもあるようです。

第2新卒を優遇している職場は、教育プログラムも充実していることが多いでしょう。看護スキルに自信がなかったとしても、3年以上働いてからの転職では第2新卒として扱われなくなり、教育をしっかりと受けられなくなる可能性があります。

4:精神的なストレスが溜まっていく

「今の職場環境は自分には合わない」と感じながら働き続けることは、精神的な負担になるものです。気づかないうちに少しずつストレスが積み重なっていくことで、体調に悪影響が出てくることもあるかもしれません。

業務に慣れたり、人間関係が変化していったりと、状況によっては時間の経過でストレスが減ることも考えられます。しかしそうでない場合、必ずしも続けることがいいとは限りません。3年を過ぎるまで我慢すること自体がストレスを悪化させる可能性もあるためです。

3年待たずに転職した方が良い看護師の特徴

3年待たずに転職した方が良い看護師の特徴

「早い段階で目標とする分野の経験を積みスキルアップをしたい」、または「現在の職場がつらすぎる」など、理由によっては3年を待たずに転職をした方がよいこともあります。ここからは、看護師がすぐに転職した方がよいケースについて紹介します。

1:ブラックな職場環境で働いている

今の職場がいわゆるブラックな環境で、働き続けることで心身のバランスを崩してしまいそうな場合には、3年を待たずに転職した方がよいでしょう。ブラックな職場環境には、たとえば以下の特徴があります。

● 長時間労働が常態化している
● 休暇が取れない
● パワハラが存在する
● 給与未払いや不当な勤務がある
● 安全管理の不備 など

これらの問題は、時間が経っても改善される可能性は低いでしょう。

また、これ以外にも「今の職場で働き続けていくのがつらい」と感じるようであれば、我慢せず、別の職場へ行くという選択肢を検討しましょう。自身の健康や安全が第一です。

2:スキルアップを目指している

取得したい資格や理想のキャリアがある人は、今の職場でそれが実現するかどうか、考えておく必要があります。

認定看護師・専門看護師などの資格を取得するには、取得したい分野での実務経験が必要となります。今の職場で理想のキャリアを目指せないとわかった場合は、早い段階で転職を検討するのも手です。

理想のキャリアがはっきりしている人は、積極的に部署異動の意向を伝えたり、転職活動をしたりし、自身の目標に向かって進んでいきましょう。

3:看護師ではない職種に興味がある

看護師経験が求められない他職種へのキャリアチェンジを検討する場合には、転職までに3年待つ必要はありません。

看護師として働いた経験は、コミュニケーション力や臨機応変な対応力、判断力など、転職に役立つでしょう。しかし、目指したい道が看護師ではなく、他職種なのであれば、早期に次の仕事に就き、長く経験を積む方がよいといえます。

看護師が3年以内に辞めたいと感じた場合の対処法

3年を待たずに辞めたくなってしまったとき、どのように対処するのがよいでしょうか。ここからは、今の職場を辞めたいと感じた場合の対処法について紹介します。

1.自己分析
2.身近な人への相談
3.部署異動
4.休職
5.退職
6.転職

それぞれみていきましょう。

1:自己分析

退職を考える前に、まずは自分の状況を客観的に分析することが大切です。現在の悩みや不安の本質を理解することで、正しい対処法が見えてくることもあります。自分と向き合う時間を作り、以下のポイントを見直してみましょう。

● 退職を考えた具体的な理由
● 現在の職場での良い点と悪い点
● 自分の強みと弱み
● 将来のキャリアビジョン
● 理想の働き方

自己分析を行うことで、自身が目指したいものや大切にしたいことがはっきりとしてきます。転職する場合も、新たな職場を選ぶ際の参考にもなるため、一度じっくり考える機会を作ってみましょう。

2:身近な人への相談

職場で悩みがある人は一人で抱えず、信頼できる人に相談しましょう。周囲の人から客観的な意見を聞くことで、新しい視点や解決策が見つかることもあります。

相談相手は、先輩看護師や同僚、家族・友人など、自身が悩みを話しやすいと感じる相手を選びましょう。他者に相談することで、精神的な負担が軽減することも考えられます。

3:部署異動

人間関係がうまくいっていなかったり、現在働く部署が「自分に合っていない」と感じたりしているときは、部署異動も選択肢のひとつです。大きな病院であれば、部署が変わることで知り合いがいなくなり、人間関係をリセットできます。また、部署ごとに受け入れる患者の層や疾患、仕事内容が大きく変わるため、働き方も変わってきます。

たとえば夜勤が苦手な場合は、夜勤のない外来や手術室に異動するなど、勤務体系を理由に部署異動を希望するのもひとつの手段です。まずは上司や師長に相談してみましょう。

4:休職

心身の疲労が強く、体調を崩しそうだと感じる場合は、休職という選択肢もあります。一定期間休養し、心身を休ませることも大切です。

なお、休職制度の有無やその内容は、病院によって異なります。休職制度がある場合には、休職できる期間や休職期間中の給与に関する情報を把握しておきましょう。

医師の診断書を取得することでスムーズに休職できるケースもあります。医療機関にかかっている人は、主治医と相談したうえで、所属部署の責任者に話してみましょう。

5:退職

さまざまな対処を試みても状況が改善しない場合は、退職を検討してもよいかもしれません。環境を変えることで、悩みやストレスの原因が減ることはよくあります。

ただし、退職を希望したタイミングですぐに辞められるわけではありません。就業規則により、退職希望日の「2ヶ月前」や「3ヶ月前」といったように、退職を申し出る時期が定められていることも多く、事前の確認が必要です。就業規則を踏まえ、退職を決意したら早めにその意思を責任者に伝えておきましょう。

6:転職

よりよい環境で働くためには、転職も考慮に入れましょう。転職を検討する場合は、まずは働きながら転職活動を始めるとよいでしょう。

また、自分に合った職場を探すには、転職サイトや転職エージェントの利用がおすすめです。転職のプロであるキャリアアドバイザーとやり取りをすることで、自身の状況を整理でき、目指すべき転職先の特徴が見えてくることもあります。またさまざまな職場の選択肢を知ることにより、自分の価値観や希望する働き方が明確になっていくのです。

仕事にやりがいを感じながら長く続けていくためには、自分らしく働ける環境を見つけることが大切です。周囲の意見だけでなく、自分の価値観を大切にするよう心がけてみましょう。焦らずにじっくりと情報収集を行い、慎重に選択することをおすすめします。

まとめ

この記事では、看護師が「とりあえず3年は今の職場で働くべき」といわれる理由、3年働くことのメリット、早期に辞めたくなったときの対処法などについて解説しました。

看護師が勤続3年以内で転職するには、メリット・デメリットがそれぞれあります。転職を決断する際は、自己分析や周囲の人々への相談をしながら、慎重に進めることが大切です。自身の価値観や目標に合わせた選択をすることが、長期的なキャリアを築くことにつながるといえるでしょう。

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