保健師の平均年収はいくら?【2025年最新】看護師との違いや年収アップの方法など

保健師の平均年収はいくら?【2025年最新】看護師との違いや年収アップの方法など

保健師として働く人や、これから目指す人の中には「保健師の年収はどのくらい?」 「看護師と比べて違いはあるの?」と疑問に思う人も多いのではないでしょうか。

この記事では、保健師の平均年収や看護師の年収との違い、さらに年収アップの具体的な方法について、詳しく解説します。

保健師の年収に関する疑問を解消し、今後のキャリアプランや働き方を考えるうえでの参考にしてください。

保健師の平均年収・相場はいくら?

厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、保健師の平均年収・相場は、451万500円です。

ただし、保健師の仕事は、地域住民の保健指導や健康相談など幅広く、行政機関や学校など働く場所によって、給与体系は変わります。

そのため、この平均年収はあくまでも目安と考えておきましょう。

参照元:厚生労働省|令和5年賃金構造基本統計調査

保健師と看護師の平均年収の違い

保健師と看護師の平均年収には差があり、一般的に保健師の方が低い傾向にあります。

具体的に、看護師の平均年収は508万1,700円、一方で保健師の平均年収は451万500円で、その差は57万1,200円です。

この差の要因には、各種手当の支給状況の違いが挙げられます。看護師の70.9%は病院で働いており、夜勤の回数に応じて夜勤手当が支給されます。一方、保健師が働く行政機関や企業では、夜勤はほとんどありません。

就業先によって、資格手当や職務手当・休日勤務・住宅手当といった手当の有無や支給金額、支給条件には、大きな違いがあります。ただし一般的に規模の大きな病院は手当が充実している傾向にあります。

そのため、病院で働く看護師にはこれらの手当が支払われていると想定した場合、病院よりも保健・福祉分野に就業先が多い保健師には諸手当の支給率・支給額が少なく、年収に差が出ているとも考えられます。

参照元:令和5年賃金構造基本統計調査|厚生労働省
参照元:令和4年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況|厚生労働省

 

看護師の平均年収については、以下の記事を参考にしてください。

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《状況別》保健師の平均年収

保健師の年収は年齢や経験年数、働く場所の規模のほかに、施設の種類や勤務形態、地域によって変わります。それぞれの平均年収を見ていきましょう。

1:年齢別

保健師の年齢別の平均年収は、以下のとおりです。

年齢層平均年収
20歳~24歳359万6,700円
25歳~29歳426万7,800円
30歳~34歳397万2,000円
35歳~39歳475万5,600円
40歳~44歳516万8,400円
45歳~49歳461万1,700円
50歳~54歳468万7,800円
55歳~59歳620万4,800円
60歳~64歳535万2,200円
65歳~69歳350万8,000円

参照元:令和5年賃金構造基本統計調査|厚生労働省

保健師の平均年収は年齢とともに上がり、55〜59歳でピークを迎えます。これは、経験を積むことで給与が上がることに加え、管理職に就く人が増えるためです。

一方、30〜34歳や45〜49歳では一時的に平均年収が下がります。子育てや介護などのライフイベントにより、働き方を見直す人が多いことが主な理由と考えられます。

参照元:令和5年賃金構造基本統計調査|厚生労働省

2:経験年数別

経験年数ごとの保健師の平均年収は、次のとおりです。

経験年数平均年収
0年356万9,700円
1年~4年385万8,000円
5年~9年404万3,600円
10年~14年474万1,000円
15年以上527万4,700円

参照元:令和5年賃金構造基本統計調査|厚生労働省

経験を重ねるほど、年収が上昇していることがわかります。専門的なスキルが身につくことで、地域住民への健康教育講座の企画・運営に携わったり、多職種連携における中心的な役割を担ったりできるようになります。それらも年収があがる要因といえるでしょう。

また、経験年数に応じて主任保健師や係長、課長などの管理職に昇進する機会が増え、役職手当の支給も年収アップにつながります。

参照元:令和5年賃金構造基本統計調査|厚生労働省

3:施設・病院の規模別

施設・病院の規模ごとの保健師の平均年収は、表のとおりです。

施設・病院の規模平均年収
従業員10人~99人426万5,800円
従業員100人~999人425万5,000円
従業員1,000人以上461万7,100円

参照元:令和5年賃金構造基本統計調査|厚生労働省

従業員1,000人以上の施設や病院で働く保健師の平均年収は461万7,100円と、ほかの規模の施設よりも高いことが明らかです。

大規模な施設や病院は経営基盤が安定しており、給与水準が高めです。また、福利厚生の充実や手当の手厚さなどが平均年収の高さにつながっていると考えられます。

一方、中規模と小規模の施設では、それぞれ平均年収に大きな差はありません。小・中規模の施設や病院でも働く場所によっては、高収入を期待できます。

参照元:令和5年賃金構造基本統計調査|厚生労働省

4:施設形態別

保健師の年収は、働く場所によって異なります。まず、保健師の主な就業場所を見てみましょう。厚生労働省の「令和4年衛生行政報告例(就業医療関係者)」によると、保健師は次のような施設形態で働いています。

就業場所割合
市区町村51.2%
保健所17.2%
病院7.9%
企業・事業所7.1%
診療所3.9%

参照元:令和4年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況|厚生労働省

市区町村や保健所で働く保健師は、地方公務員として採用されるケースが多く、自治体の給与規定にもとづいて給与が支給されます。勤続年数や役職に応じて昇給するため、景気に左右されないのが魅力です。

また、病院・診療所の規模や種類(大学病院・公立病院・民間病院など)によって給与水準は違い、規模が大きい病院ほど給与水準が高い傾向にあります。

近年、従業員の健康管理に力を入れる企業が増えています。たとえば、健康診断や健康教育の実施、職場環境の改善に積極的に取り組む企業では保健師の需要が高いため、高年収を期待できるかもしれません。

参照元:令和4年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況|厚生労働省

5:勤務形態別

働き方によっても保健師の年収は異なります。「令和4年衛生行政報告例(就業医療関係者)」をもとに、保健師の主な勤務形態を見ていきましょう。

 正規雇用:81.4%(49,113人)
 非正規雇用:17.5%(7,021人)
 派遣:1.1%(660人)

参照元:令和4年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況|厚生労働省 

保健師の多くは常勤(正規雇用)で働いており、安定した雇用形態であることがわかります。常勤の保健師は、非常勤(パート・契約社員) や派遣社員と比べて年収が高くなる傾向にあります。

常勤は、社会保険やボーナスなどの福利厚生が充実しており、安定した収入が見込めます。

一方で、非常勤は、働く時間や曜日を比較的自由に選びやすく、ワークライフバランスを重視する人や家庭の事情などでフルタイム勤務が難しい人に向いているといえるでしょう。

ただし、非常勤の年収は働く時間によって変動するため、安定した年収を求める場合は常勤で働くのが適しています。

安定した収入や充実した福利厚生が必要なときは常勤、ワークライフバランスを重視する場合は非常勤、経験を積みたい場合は派遣社員など、自分の置かれる状況に合わせた働き方を選択することが大切です。

参照元:令和4年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況|厚生労働省

6:地域別

保健師の年収を厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」をもとに地域別に紹介します。特に年収差が大きい地域を比較するために、上位と下位、それぞれ5位を絞りました。

<上位5位>

都道府県平均年収
1大阪府630万5,100円
2北海道597万8,900円
3大分県593万7,500円
4山口県578万6,300円
5東京都553万5,300円

<下位5位>

都道府県平均年収
1長崎県340万4,300円
2秋田県355万5,600円
3宮崎県357万5,000円
4神奈川県379万100円

参照元:令和5年賃金構造基本統計調査|厚生労働省

上位には都市部のほか、大分県や山口県なども含まれています。一方、下位は、主に地方の都道府県が占めています。大阪府と長崎県を比べると、その年収差は290万800円です。

保健師の年収は地域によっても差があるため、仕事内容やキャリアパス、地域の特性などを踏まえて就職先を選ぶことが重要です。

参照元:令和5年賃金構造基本統計調査|厚生労働省

《職場別》保健師の平均年収

保健師の年収は、働く場所によって異なります。行政保健師や産業保健師、学校保健師、病院保健師、それぞれの年収を見ていきましょう。

1:行政保健師

行政保健師の平均年収は、500万~600万円とされています。「地方公務員給与規定」にもとづいて支給されるため、比較的安定していると言えるでしょう。

行政保健師は、主に都道府県の保健所や市区町村の保健センターで勤務し、地域住民の健康増進と疾病予防を目的とした活動をおこなっています。

地域住民の健康を支える使命感を持ちながら、安定した収入を得られることが、行政保健師の大きな魅力です。

2:産業保健師

産業保健師の平均年収は、500万〜600万円と言われています。

特に、大企業では次のような福利厚生が充実している場合が多く、給与水準も高くなります。

 住宅手当
 家族手当
 資格手当

産業保健師の主な業務は、健康診断やメンタルヘルスケア、職場環境の改善などで、従業員の健康を守る重要な役割を担います。

従業員の働きやすい環境づくりに貢献できるだけでなく、企業の業績によっては高収入を得られます。

3:学校保健師

学校保健師の平均年収は、400万〜500万円とされています。

公立学校で働く場合は地方公務員として雇用され、「教員給与規定」に準じた給与体系で、経験年数や役職に応じて昇給するのが一般的です。私立学校の場合は、学校法人の規定にもとづいて給与が支給されます。そのため所属する学校の規模や経営状況などによって給与水準が異なります。

学校保健師として働きたい人は養護教諭の資格取得も視野に入れておくと、年収アップを期待できるでしょう。

4:病院保健師

病院保健師の平均年収は、400万〜500万円程度です。大規模な病院や大学病院は給与水準が高い傾向にあります。

病院保健師は患者一人ひとりに寄り添い、次のようなサポートをおこないます。

 保健指導
 健康相談
 退院後の生活支援

様々な観点から見る保健師の給与

ここからは保健師の給与について初任給やボーナス、手取り、時給の相場といった観点から紹介します。年収だけでなく、給与の内訳を知ることで、より具体的なイメージを持てるでしょう。

1:初任給

厚生労働省の調査によると、保健師の初任給は25万3,000円です。

初任給は経験年数0年の20~24歳の平均給料を参考としており、基本給に住宅手当や通勤手当などを含んだ額を指します。

ただし、経験年数や学歴、就職先などによって変動します。初任給は、その後の給与水準のベースとなるため、就職先を選ぶ際の重要な要素のひとつと言えるでしょう。

参照元:令和5年賃金構造基本統計調査|厚生労働省

2:ボーナス

保健師のボーナスは75万5,700円です。

ボーナスは多くの職場で7月と12月頃の年に2回支給され、金額は基本給の数ヶ月分に相当します。

ただし、企業の業績や個人の評価によって変わります。年収はボーナスの額によっても大きく左右されるため、就職先を選ぶ際には、ボーナスの支給実績や評価制度なども確認しておくと良いでしょう。

参照元:令和5年賃金構造基本統計調査|厚生労働省

3:手取り

保健師の手取りは25万320円とされています。

“手取り”とは、給与から税金や社会保険料などを引いた金額で、支給された額のおおよそ8割で算出されます。

手取りは、実際に受け取る金額のことで、生活費や居住費などを考える上で重要な指標です。住民税は前年の所得に対して課税されるため、保健師1年目は住民税の徴収がなく、手取り額は多くなります。

2年目以降は住民税の徴収が始まるため、手取り額は一般的に少なくなります。

参照元:令和5年賃金構造基本統計調査|厚生労働省

4:時給の相場

厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査(短時間労働者)」によると、保健師の平均時給(1時間当たり所定内給与額)は2,160円です。

ただし、時給の相場は、働く場所や地域、経験などによって異なります。たとえば、東京都内の企業で働く場合、また専門性が高いスキルが求められるところで勤務する場合は、時給が高くなる傾向にあります。

短時間勤務者や扶養範囲内での勤務を希望する人にとって、時給は重要な判断材料となるでしょう

参照元:令和5年賃金構造基本統計調査(短時間労働者)|厚生労働省

保健師の年収をアップさせる方法

保健師が年収を上げるには、いくつかの方法があります。自身のキャリアプランに合わせて、どのような方法で年収アップを目指したらよいか、考えてみましょう。

1:勤続年数を重ね昇給を目指す

保健師が年収をアップさせるうえで一番確実な方法は、昇給を目指して同じ職場で働き続けることです。

勤続年数を重ね、経験やスキルが向上することで、昇給につながります。

また、職場内での信頼が厚くなることで役職に就くチャンスも増え、大幅な年収アップも期待できます。特に、市区町村の役場や保健所などは定期的な昇給制度が整っているところが多く、長く勤めることで安定した収入を得られるでしょう。

2:資格を取りスキルアップする

専門的な資格を取得できると、給与アップにつながる可能性があります。たとえば、次のような資格取得を目指すと良いでしょう。

 養護教諭
 ケアマネジャー
 産業カウンセラー
 衛生管理者

これらの資格は、専門的な知識やスキルがあるという証明となるため、給与アップが見込めます。職場にどのような資格が必要か、どのような人材が求められているかなどを考えたうえで、新たな資格にチャレンジしてみましょう。

3:待遇のよい職場に転職する

待遇のよい職場への転職は、短期間で年収アップを実現するのに有効な方法です。

特に、大企業や大規模な病院では給与が高く設定されていることが多く、転職によって収入アップが期待できます。

現在の職場の給与水準に不満がある場合、転職サイトや転職エージェントなどを活用して情報収集をおこなうことで、キャリアアップの可能性を広げられるでしょう。

まとめ

保健師の年収は、働く場所や経験によって大きく変わります。

この記事で紹介した情報を参考に、自身のキャリアプランを考えてみましょう。

自分に合った働き方を見つけることで、より充実したキャリアを築けます。年収だけでなく、仕事のやりがいやワークライフバランスも考慮し、自分にとって最適な働き方を見つけることが大切です。

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