都内で看護師として働こうと考えている人のなかには、給与がどのくらいなのか気になる人もいるのではないでしょうか。他の職種と同様、看護師の給与にも地域差があり、なかでも東京都は、給与水準が高いことで知られています。
本記事では、東京都の看護師の年収や月収、時給について詳しく解説します。看護師として都内での就労を検討している人は参考にしてみてください。
東京都で働く看護師の給料事情《2025年1月最新》
全国的にも給与水準が高いといわれる東京都。ここでは、東京都で働く看護師の平均年収、月給、時給について説明します。
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「看護師の平均年収はいくら?」 「収入を上げる方法が知りたい」 看護師は、「他の職種に比べて年収が高い」「稼げる仕事だ」とよくいわれます。 しかし、実際には夜勤や残業手当が付くためで、一概に年収が高いといえるのだろうかと疑問に感じ[…]
1:東京都で働く看護師の平均年収
東京都と全国の看護師の平均年収の目安は以下です。
東京都 | 全国平均 | |
新卒看護師(高卒または専門学校卒) | 432万円 | 401万円 |
新卒看護師(大卒) | 444万円 | 414万円 |
勤続10年の看護師(非管理職) | 534万円 | 414万円 |
上記を比較すると、東京都勤務の看護師の平均年収は、全国平均と比べて高く、勤務年数に応じた昇給があることが伺えます。
2:東京都で働く看護師の平均月収
日本看護協会の「2023年 病院実態調査」によると、東京都と全国の看護師の平均月収の比較は、次のとおりです。
東京都 | 全国平均 | |
新卒看護師(高卒または3年課程卒) | 289,069円 | 266,558円 |
新卒看護師(大卒) | 296,939円 | 274,752円 |
勤続10年の看護師(非管理職) | 357,726円 | 326,675円 |
東京都で働く看護師の月収もまた、全国平均を上回っています。東京都は看護師の基本給が高いだけでなく、地域手当を含むその他の手当も充実しているためです。
3:東京都で働く看護師の平均時給
都内で看護師として働く場合、時給はどの程度なのでしょうか。給与が高くても労働時間が長ければ、実質的な賃金は目減りしてしまいます。看護師の平均労働時間は週38.8時間で、東京都で働く看護師の平均基本給から計算すると、以下になります。
東京都 | 全国平均 | |
新卒看護師(高卒または3年課程卒) | 1,862円 | 1,717円 |
新卒看護師(大卒) | 1,913円 | 1,770円 |
10年勤務看護師(非管理職) | 2,304円 | 2,104円 |
都内で働く看護師は、基本給や平均月収が高いため、時給に換算した場合、全国平均より高くなります。
東京都で働く看護師の年代別の平均年収・月収・時給
看護師には勤務年数に応じた昇給があり、年代によって年収や月収、時給が変化します。ここからは年代別の看護師の給与について説明します。
20代の平均年収・月収・時給
東京都で働く20代看護師の平均年収、月収、時給は、次のとおりです。
20~24歳 | 25~29歳 | |
平均年収 | 481万円 | 523万円 |
平均月収 | 306,919円 | 333,035円 |
平均時給 | 1,977円 | 2,145円 |
30代前半の平均年収・月収・時給
東京都で働く30代前半の看護師の平均年収、月収、時給は以下です。
30~34歳 | |
平均年収 | 550万円 |
平均月収 | 351,760円 |
平均時給 | 2,266円 |
30代後半の平均年収・月収・時給
東京都で働く30代後半の看護師の平均年収、月収、時給は以下です。
35~39歳 | |
平均年収 | 585万円 |
平均月収 | 377,096円 |
平均時給 | 2,429円 |
40代以上の平均年収・月収・時給
東京都で働く40代以上の看護師の平均年収、月収、時給は以下です。
40~44歳 | 45~49歳 | 50~54歳 | 55~59歳 | 60歳以上 | |
平均年収 | 687万円 | 844万円 | 852万円 | 854万円 | 888万円 |
平均月収 | 447,741円 | 557,335円 | 555,280円 | 558,196円 | 572,869円 |
平均時給 | 2,884円 | 3,591円 | 3,577円 | 3,596円 | 3,691円 |
40代以上の給与をみると、45歳以降は大幅な昇給がなく、給与額がほぼ横ばいか微増にとどまることがわかります。
出典・算出元:東京都人事委員会「医療関係職種」
近隣エリアと比較した東京都の看護師の平均給与の特徴
東京都ではなく、その近辺での就労を考えている看護師もいるでしょう。東京都は住居費や物価が高く、より多くの生活費が必要になります。都内へのアクセスを良い近隣県で働き、休日は都内で余暇を過ごすといった方法もあります。
東京都と近隣県の看護師の給与の比較は次の通りです。
≪新卒看護師(高卒及び3年課程卒)≫
東京都 | 埼玉県 | 神奈川県 | 千葉県 | |
平均月収 | 289,206円 | 275,018円 | 289,930円 | 291,444円 |
平均年収 | 432万円 | 415万円 | 433万円 | 435万円 |
≪新卒看護師(大卒)≫
東京都 | 埼玉県 | 神奈川県 | 千葉県 | |
平均月収 | 296,939円 | 281,743円 | 297,092円 | 299,782円 |
平均年収 | 444万円 | 425万円 | 444万円 | 447万円 |
≪勤務年数10年の看護師(非管理職)≫
東京都 | 埼玉県 | 神奈川県 | 千葉県 | |
平均月収 | 357,726円 | 338,844円 | 348,332円 | 353,629円 |
平均年収 | 約534万円 | 約510万円 | 約520万円 | 約527万円 |
埼玉県で働く看護師の給与は全国平均よりも高いものの、東京都よりも少ないことが分かります。一方で、神奈川県と千葉県で働く看護師の給与は、東京都と同程度です。高収入を得るために都内での就労を考える看護師は、神奈川県や千葉県での就労も視野に入れるとよいでしょう。
出典・算出元:日本看護協会「病院実態調査」
看護師の給料に差が出る原因
看護師の給与の差は、就労する地域以外の要因でも生まれます。ここでは看護師の給与差の原因となる要素についてみていきましょう。
1:手当の有無
看護師の給与は、手当の充実度によって左右されます。就業先の医療機関から支給される手当には、夜勤手当や残業手当のほかに、地域手当、通勤手当、住居手当があります。さらに保有資格やポジション、配属部署によっては、資格手当や役職手当、危険手当も支給されます。
手当支給の有無やその金額は、就業先によっても異なります。手当額はそれほど大きくなくても、年換算すれば収入に大きな差がでる結果となりかねません。就職活動や転職活動をする際は、志望先がきちんと手当を支給しているか、確認することが大切です。
2:病院の規模
看護師の給与は、医療機関の規模によっても差が生まれます。一般的に病床数が多い病院ほど、給与水準が高くなる傾向がみられます。病床数ごとの平均月収は以下です。
新卒看護師 (高卒または3年課程卒) | 新卒看護師 (大卒) | 10年勤務の看護師 (非管理職) | |
99床以下 | 260,559円 | 267,500円 | 311,133円 |
100~199床 | 261,954円 | 269,253円 | 319,479円 |
200~299床 | 263,585円 | 270,810円 | 322,252円 |
300~399床 | 268,330円 | 278,238円 | 336,987円 |
400~499床 | 270,566円 | 279,854円 | 341,150円 |
500床以上 | 267,805円 | 278,167円 | 354,173円 |
出典:日本看護協会「2022年病院看護・助産実態調査報告書」
3:看護師or准看護師
看護師の給与で大きな差を生む原因となるのが、資格の種類です。准看護師の上位資格である看護師は、給与が高めになります。
「保助看法(保健師助産師看護師法)」によると、准看護師について「医師や看護師の指示の下で業務を行う」とあるものの、実質的には、看護師と同じ業務を行っている准看護師も少なくありません。同じ職場で働いていても、新卒の看護師と准看護師では、初任給に3~4万円ほどの差があることが多く、賃金格差に不満を抱く人もいるでしょう。
また業務の範囲が限定される准看護師は、看護管理職への道も閉ざされています。准看護師が給与アップを目指すのであれば、看護師資格の取得を目指すのがおすすめです。
東京都で働く看護師が手取り額を上げる方法とは?
東京都で働く看護師の給与は、他の地域よりも高い傾向がありますが、さらに給与アップを図りたい人もいるでしょう。すでに都内で働いている人が収入増を目指すには、大きな病院に勤める、専門資格を取得する、看護管理職を志すといった方法があります。体力に自信がある人であれば、夜勤専従常勤として働くのもよいでしょう。
また一般的に病院看護師の賃金は、医療職公務員の俸給表に準じているところが多い特徴があります。独自の給与体系を持つクリニックや美容施術など自由診療を行っている医療機関に転職することで、高収入を得られる可能性が上がります。
すでに東京都で働いており、さらなる収入アップを希望する看護師は、病院以外の選択肢も検討するとよいでしょう。看護師には病院だけでなく、クリニック・高齢者ケア施設・保育園・障がい者支援施設など活躍の場所が多くあるため、条件の良い勤務先へ転職するのもひとつの手段です。
もともと病棟看護師の給与の高さは、夜勤手当や残業手当によるところが多く、手当は支給されるとはいえ、夜勤は心身への負担が大きくかかります。給与の支給額が同じでも夜勤や残業がなければ、給与水準が高い職場だといえます。
まとめ
東京都で働く看護師は、他の地域で働く看護師よりも、月収や年収、時給が高い傾向があります。都心は人が集まりやすく、生活費もかかることから、賃金が高くなるのです。看護師として高収入を目指したい人は、都内での就職を検討するとよいでしょう。
また看護師が高収入を得るには、働く場所を選ぶ以外にも、資格取得や昇進を目指す、夜勤専従で働くという方法があります。すでに都心で働いている看護師は、条件の良い職場へ転職するのもよいでしょう。
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