夜勤をしている看護師の給料・年収の目安はいくら?計算方法や注意点などを解説!

夜勤をしている看護師の給料・年収の目安はいくら?計算方法や注意点などを解説!

病院や介護福祉施設で働く看護師にとって、夜勤手当は、給料や年収を大きく左右する要素です。

しかし「夜勤をすると給料はどれくらい上がるの?」「夜勤手当の計算方法がわからない」など、夜勤の給料について疑問がある人も多いのではないでしょうか。

この記事では、夜勤をする看護師の給料・年収の目安や具体的な計算方法、注意点について解説します。

看護師が夜勤ありで働く場合、平均年収はいくら?

厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、夜勤がある看護師の平均年収は508万1,700円です。

夜勤をする看護師には夜勤手当が加算されるため、日勤のみの看護師に比べて年収が高くなる傾向にあります。夜勤手当は基本給に上乗せされる形で支給されますが、その額は次の要因によって異なります。

 病院や施設の規模
 地域
 保有資格

このように、同じ回数の夜勤をしても、勤務先や保有資格によって夜勤手当の支給額に差が生じるため、平均年収にも違いが出るのです。

参照元:厚生労働省|令和5年賃金構造基本統計調査

《勤務形態別》看護師の夜勤手当の平均

 

夜勤には「2交代制(日勤+夜勤)」、「3交代制(日勤+準夜勤+新夜勤)」、「夜勤専従」の働き方があり、それぞれに夜勤手当の金額が異なります。平均額を見ていきましょう。

1:3交代制の準夜勤

日本看護協会の「2023年病院看護実態調査」によると、3交代制の準夜勤に対する夜勤手当は平均4,234円です。

この金額は、就業先の病院の規模や施設によって異なります。例えば、都市部の大規模な病院では、準夜勤手当が5,000円を超えるところが多いものです。その一方で、地方の病院や小規模な病院では4,000円を下回るところもあります。

また、勤務先や保有資格によっても夜勤手当の額に差が出ることがあります。具体的な金額を知りたい人は、勤務先の給与規定を確認するか、人事課に問い合わせてみましょう。

参照元:日本看護協会|2023年病院看護実態調査

2:3交代制の深夜勤

日本看護協会の「2023年病院看護実態調査」によると、3交代制の深夜勤の夜勤手当は平均5,199円とされています。

深夜勤は深夜から明け方にかけての勤務で、生活リズムが崩れやすく、身体への負担も大きくなります。そのため、深夜勤務には割増賃金が加算され、夜勤手当の額は準夜勤に比べて高いのが一般的です。

例えば、月4回の深夜勤務をおこなった場合、夜勤手当だけで約20,000円の収入アップが見込めます。ただし、あくまで一例であり、就業先の病院や施設によって金額は異なります。詳細は勤務先の給与規定を確認すると良いでしょう。

参照元:日本看護協会|2023年病院看護実態調査

3:2交代制の夜勤

日本看護協会の「2023年病院看護実態調査」によると、2交代制の夜勤の手当は平均11,368円です。

2交代制勤務は、主に日勤と夜勤の2つのシフトに分かれており、1回あたりの夜勤の勤務時間が平均16.2時間と長くなるため、3交代制に比べて夜勤手当が高く設定されています。具体的には、3交代制の深夜勤手当の約2.1倍の金額です。

2交代制で月4回の夜勤をした場合、夜勤手当だけで約45,000円の収入増となります。そのため、収入アップを目指したい看護師は、2交代制を導入している病院や施設を就業先に選ぶと良いでしょう。

参照元:日本看護協会|2023年病院看護実態調査

4:夜勤専従(正社員・パート)

夜勤専従は、夜勤勤務を専門におこなう働き方です。1回の勤務の平均給与は20,000〜30,000円。なかには40,000円前後の収入を得られる病院や施設もあります。夜勤専従の給与体系は、次の3種類に分けられます。

 時給制
 日給制
 月給制

時給制では、時間単価(=時給)に別途、深夜手当が加算されます。日給制の場合、1回の勤務に対して一定の金額が支払われ、月給制では、基本給に加えて夜勤手当が月ごとにまとめて支給されるのが一般的です。

いずれの給与体系においても、夜勤手当は基本給に上乗せされる形で支給されるため、日勤のみの勤務に比べて収入が高くなる傾向にあります。

労働基準法で決められた深夜手当はどれくらい?

夜勤手当は、病院や施設が独自に設定していますが、労働基準法では、午後10時から午前5時を「深夜勤務帯」とし、その時間の勤務に対し、深夜手当の支払いを義務づけています。

準夜勤の場合

労働基準法第37条により、午後10時から午前5時まで(深夜勤務帯)に労働した場合、通常の時間給の25%以上の割増賃金を支払うことが義務づけられています。

準夜勤の場合、勤務時間の一部が深夜勤務帯にかかるため、その分の深夜手当が支給されます。

時給1,500円で契約している看護師が、午後4時から翌日の午前1時まで勤務したケースで考えてみましょう。午後10時までの6時間分は通常の時給で、午後10時から午前1時までの3時間分は1,500円×1.25倍=時給1,875円で計算されます。ただし休憩時間分は差し引かれます。

このように、準夜勤でも深夜勤務帯に働くと、割増賃金が加算されることを把握しておきましょう。

参照元:労働基準法第37条|e-GOV 法令検索

深夜勤の場合

深夜勤では、勤務時間のほとんどが深夜勤務帯である午後10時から午前5時に該当し、深夜手当支給の対象となります。そのため、手当額が高くなる傾向にあります。

時給1,500円で契約している看護師が、午後11時から翌日の午前8時まで勤務したケースを見てみましょう。

午後11時から午前5時までの6時間は深夜勤務帯にあたり、時給は1,500円×1.25倍=1,875円です。残りの午前5時から午前8時までの3時間分は、通常の時給で計算されます。ただし、休憩時間分は差し引かれます。

準夜勤に比べて、深夜勤は深夜手当の対象となる時間が長いため、夜勤手当の額も高くなり、収入に大きく影響すると言えるでしょう。

参照元:労働基準法第37条|e-GOV 法令検索

求人情報の記載事項から夜勤手当を計算する方法は?

求人情報に記載されている内容によって、夜勤手当の計算方法は異なります。

以下に、よくある4つのケースを挙げ、それぞれの計算方法について解説します。

求人情報の記載事項計算方法
夜勤手当の金額が明記されている場合
記載例:「夜勤手当1回〇〇円」
記載されている金額が、そのまま1回あたりの夜勤手当となる
基本給に含むと記載されている場合
記載例:「基本給に夜勤手当を含む」
基本給に夜勤手当がすでに含まれており、別途支給はされない
深夜割増賃金のみ記載されている場合
記載例:「深夜割増賃金は法定に沿って支給」
労働基準法にもとづき、午後10時から午前5時までの勤務に対して、通常の時間給の25%以上の割増賃金が加算される
夜勤手当と深夜手当が分けて記載されている場合
記載例:「夜勤手当1回○○円、深夜手当は別途支給」
夜勤手当は病院独自の設定による。深夜手当は労働基準法にもとづき、通常の時間給の25%以上が加算される。それぞれの手当の総額が支給される

求人情報で夜勤手当の内容を確認する際は、正しく読み取り、把握することが重要です。不明点がある場合は、人事担当者や求人掲載元に確認しましょう。

参照元:労働基準法第37条|e-GOV 法令検索

看護師が夜勤を活用して高収入を得るコツ・ポイント

看護師が夜勤を活用して高収入を得るのに大切なのは、単に夜勤の回数を増やすだけでなく、自身の状況や将来のキャリアプランに合わせた選択をすることです。ここでは、具体的な方法と注意点をいくつか紹介します。

 夜勤手当の金額が高い職場を選ぶ
 夜勤専従の働き方を検討する
 2交代制の夜勤を採用している職場を選ぶ
 経験やスキルを活かしてキャリアアップを目指す
 ダブルワークを検討する
 夜勤手当以外の待遇を確認する

集中治療室や救急救命センターは夜勤手当が高い傾向にあり、これらの部署では高収入を得られるでしょう。また、ダブルワークが可能な場合は、夜勤明けや休日を活用して、訪問看護ステーションやクリニックなどで非常勤で働き、収入を増やすのも選択肢の1つです。

ただし、夜勤は生活リズムを乱しやすく、体調に影響を与えるリスクがあります。そのため、夜勤によって高収入を目指す場合は、体調管理が不可欠となります。

夜勤明けは、しっかりと睡眠時間を確保し、バランスの取れた食事や適度な運動を心がけましょう。

看護師が夜勤をするうえで知っておきたいデメリット・注意点

夜勤は収入アップにつながる一方で、さまざまな負担を伴います。自身のライフスタイルや体調を見つめて、夜勤をおこなうのが最善かどうかを検討することが大切です。

1:生活のリズムが乱れやすく、体調管理がむずかしい

夜勤は、人間の体内時計と逆行する時間帯に働くため、生活リズムが乱れやすく体調管理がむずかしくなります。夜勤をおこなうことで、次のような問題が起こりやすくなります。

 睡眠不足と睡眠の質の低下
 自律神経の乱れ
 ホルモンバランスの崩れ

これらの影響により、倦怠感や食欲不振、便秘、集中力の低下などの症状が現れることがあります。

また、不適切な食事時間は生活習慣病のリスクを高める可能性があり、注意が必要です。

参照元:厚生労働省 e-ヘルスネット|交代勤務睡眠障害
厚生労働省e-ヘルスネット|睡眠と生活習慣病との深い関係

2:体調が悪くても休みづらい

日勤帯に比べて、夜勤帯はスタッフ数が少ないため、急な欠員が出ると現場に大きな影響が出ます。特に、人手不足の病院や施設ではその傾向が顕著です。

そのため「自分が休むとほかの人に迷惑がかかる」「人手不足だし、代わりに夜勤をしてくれる人がいない」という責任感やプレッシャーから「休みづらい」と感じる看護師は少なくありません。

多少の体調不良であれば、無理をして出勤してしまう看護師も多いものです。

3:看護師が少ない分、業務の負担が大きい

夜勤帯は、日勤帯に比べて看護師の数が少なく、一人あたりの業務負担が大きくなる傾向があります。

患者の急変対応や緊急入院など、突発的な業務も少人数で対応しなければならず、精神的・肉体的な負担が大きくなりがちです。

また、夜勤帯は医師や薬剤師など他職種のスタッフも少なく、連携が取りづらい状況が生じます。そのため、看護師が他職種の業務を代行することもあり、さらに業務量が増える要因となります。

4:拘束時間が長い

2交代制の夜勤の場合、1回の勤務時間が16時間以上と長くなります。これは、日勤と夜勤のシフトで24時間体制を維持するためです。

休憩時間や仮眠時間が設けられているものの、長時間の拘束は身体へ大きな負担を与えます。

また、長時間勤務は疲労の蓄積につながり、集中力や判断力の低下を招き、重大なミスにつながるリスクをはらみます。さらに、趣味や休息のための時間を十分に取れない点もデメリットです。

5:家族・友人と予定が合わない

夜勤のデメリットには、家族や友人と生活リズムが合わなくなり、一緒に過ごす時間が減ることも挙げられます。

子どもと一緒に食事をする時間や学校行事への参加など、かけがえのない時間を共有できなくなる場合があります。友人との食事やレジャーなどの予定が合わず、楽しい時間を過ごす機会が少なくなるケースもあるでしょう。

このような状況が続くと、孤独を感じたり、大切な人たちとの間に距離を感じたりして、寂しさを抱えるようになるかもしれません。

6:転職しにくくなる場合がある

夜勤ばかりの勤務を続けていると、日勤帯に看護師が行う業務の経験が不足するため、日勤のみの職場への転職がむずかしくなる場合があります。これは、夜勤と日勤では業務内容や必要なスキルが異なるためです。

たとえば、日勤では検査対応が多く、他部署や多職種との連携が重要視されます。一方で、夜勤は患者の夜間の生活サポートや緊急対応が中心で、多職種連携の機会は少なくなります。

さらに、夜勤中心の働き方では、チームをまとめる経験や多職種との連携を深める機会を逃す恐れがあります。

将来のキャリアプランを見据え、夜勤と日勤のバランスを考えた働き方を意識しましょう。

まとめ

夜勤は、看護師が高収入を得るために有効な働き方です。夜勤をすることで手当が加算され、収入アップが期待できるだけでなく、緊急対応のスキルを深めたり、昼間に自由な時間を確保できたりといったメリットがあります。

一方で、生活リズムの乱れや睡眠不足による体調不良、キャリア形成への影響などのデメリットも無視できません。

現在の働き方が合わないと感じている場合は、転職や他の勤務形態を検討するのも1つの方法です。体調やライフスタイルに合わせて、最適な働き方を選びましょう。

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