看護師として働く中で、「夜勤がつらい」「これから先、仕事を続けていけるのだろうか」と不安を抱えている人もいるでしょう。
本記事では、夜勤がきついと感じる理由や乗り越えるコツ、夜勤が限界できついときの対処方法について解説します。
看護師の夜勤がきつい理由とは
看護師の夜勤がきついと感じるのは、身体にかかる負担はもちろん、職場の環境なども影響しています。
まずは、きついと感じる理由を見ていきましょう。
生活リズムが崩れやすい
夜勤では本来睡眠をとるはずの時間帯に働くため、生活リズムが崩れやすくなります。起床時間や就寝時間が日々変わり、つらいと感じる人は多いでしょう。
生活リズムが崩れると、体調面にも影響をもたらします。睡眠障害や便秘、肌荒れなどのトラブルも起こりやすくなるため、体の不調やストレスを抱えてしまうこともあります。
体力面での負担が大きい
夜勤は三交代制であれば1回あたり8時間、二交代制であれば16時間前後の勤務となります。休憩はあるものの通しで働くため、体力に自信がない人では続かないと感じてしまうでしょう。
二交代制では仮眠の時間が設けられていますが、現実的には患者さんの急変や緊急入院があると、仮眠を取る時間がないまま朝を迎える場合もあります。
夜勤で人数が少ない中、ナースコールの対応に時間を取られ、座ることができずに動き回ることも。今より年齢を重ねると、より体力不足に悩んでしまうかもしれません。
少人数制でプレッシャーがある
夜勤は日勤と比較すると看護師の人数が少ないため、一人にかかる責任が大きくなり、プレッシャーを感じてしまう人もいます。
緊急事態であっても、少ない人数で対応しなければなりません。患者さんの対応やスタッフ間の連携などで、臨機応変な判断が求められます。通常業務のかたわら緊急事態の対応に当たる必要があり、精神に大きな負荷がかかる場面もあります。
休みを取りにくい
少人数体制で勤務に当たる夜勤は、スタッフが一人でも急に休んでしまうと、ほかの看護師に負担がかかってしまいます。人手不足の状態では、なかなか休みたいと言い出しにくいものです。
看護師の夜勤はきつい分メリットも大きい
働き方がハードでつらいと思ったときは、改めて夜勤で働くメリットを振り返り、自分に合っているかどうかを考えてみましょう。
看護師が夜勤で働くメリットは、以下のとおりです。
1.深夜手当により収入がアップする
夜勤をすると、深夜手当が支給され、収入アップが見込めます。
深夜手当は、労働基準法により定められています。法律では22時から翌5時までの深夜労働に対し、賃金の25%を割増賃金の支払いを義務付けています。具体的な支給額は、勤務先が法律に基づいて決定し、支給します。
2.日中に好きなことができる
一般的に夜勤の終了時間は午前9時ごろで、多少残業があっても午前中のうちに退勤できる場合がほとんどです。
明るい時間に外出でき、休日に混雑しやすい人気スポットなどにも行きやすいのがメリットです。銀行や郵便局などもスムーズに利用できます。
看護師のきつい夜勤を乗り越えるコツ
夜勤がきついと感じたときに、うまく乗り越えるためのコツをご紹介します。
日光を浴びて体内時計を整える
夜勤があると生活リズムが崩れやすくなり、睡眠サイクルやホルモンバランス、自律神経に影響を及ぼします。影響を最小限に抑えるためには、体内時計(サーカディアンリズム=24時間の体内リズム)を整えることが重要です。
「夜勤から帰った後にすぐ寝てしまい、夜間に目覚めて活動し、翌日は昼まで寝てしまう…」という人は、なるべく夜に就寝することを意識しましょう。夜勤明けは仮眠程度にとどめて、夜間は照明を落としてゆったりと過ごし、0時までには就寝することをおすすめします。
また、朝には日光を浴びることが大切です。体内時計がリセットされるだけでなく、セロトニンの分泌が促され、ストレスの軽減効果も期待できます。
こまめに体を動かす
日常的に運動する習慣をつけ、持久力を高めましょう。運動には寝付きを良くし、深い睡眠を促す効果もあります。「寝てもなかなか疲れがとれない…」と悩む人は、積極的に取り組みましょう。
息が上がるほどの運動でなくても構いません。リズミカルに長時間続けられる有酸素運動を日常生活に取り入れましょう。早歩きやジョギングなどがおすすめです。
趣味やリラックスにあてる時間を設ける
夜勤明けや休日は、自分の好きな活動や趣味の時間を楽しみましょう。仕事を忘れ、オンとオフを切り替えることが大切です。友達や家族と外出や旅行をしてリフレッシュするのも良いでしょう。
疲労がたまっているときは、整体やマッサージを受けることもおすすめです。
看護師の夜勤が限界できついときとは?
夜勤を乗り越える対策を取っても、きついと感じる人はいるかもしれません。どうしても夜勤で働くのが合わないと感じたときの対処法をご紹介します。
日勤のみの働き方を希望する
夜勤をなくし、日勤のみで働くのもひとつの方法です。やむを得ない事情や体調不良が理由であれば受け入れてもらいやすいでしょう。まずは看護師長に相談してみることをおすすめします。
また、子育てや介護をしている場合は、夜勤免除制度の利用も検討できます。夜勤免除を請求できるケースは、以下のとおりです。
・小学校就学前の子どもを養育している
・要介護状態の家族を介護する必要がある
・妊娠中である
ただし、「勤続年数1年未満」や「夜勤専従」などの場合は請求できないため注意しましょう。妊娠中であれば、時間外労働や休日労働の免除も申請できます。
有給休暇を取りリフレッシュする
疲労が蓄積してつらいと感じたなら、有給休暇を取得し、心身をリフレッシュさせましょう。実際に体調に異変があるときや、精神面で限界を感じるときは要注意です。
自分の心と体をいたわることを最優先に考え、病院を受診する、もしくは長期休暇を取得するなどして体調を整えましょう。
夜勤のない職場へ転職する
勤務形態の変更や夜勤免除が受け入れられない場合や、今の職場で働き続けることができない場合は、異動や転職を検討してみましょう。
転職を検討する場合は、以下のような基本的に夜勤の少ない職場をおすすめします。
1.医療機関の外来部門
医療機関の外来部門では、通院患者さんの診察サポートを行います。医師の診療の補助、問診や採血、生活のアドバイスなどが主な仕事内容です。
外来の診療曜日は決まっているため、固定休が取りやすく、休日の呼び出しもほとんどありません。予定どおりに休めることが多く、プライベートの時間を充実させやすいでしょう。
2.健診センター
健康診断や人間ドックを専門とした医療機関です。問診、採血、身長・体重測定、医師の診察の介助が主な仕事です。基本的に健康な人が通うことから、精神的な負担は少ないと考えられます。日勤がメインで残業も少なく、勤務終了後の時間を有効に使える点はメリットといえます。
3.美容クリニック
美容医療を提供するクリニックです。看護師はカウンセリング、医師の診療の補助、注射や点滴、レーザー照射の施術などの業務に当たります。日勤のみで働くことが多い一方、病院の交替常勤勤務よりも給料は高めで、美容に関心のある看護師には人気のある職場です。
看護師の転職準備や成功のポイントについては、以下の記事でご紹介しています。
「看護師転職5つの方法を紹介!転職準備から退職手続きまでの流れを解説」
まとめ
看護師の夜勤はハードな面があるものの、給与や生活の面でメリットがあります。体調を整え、自分らしく働くためにも、日頃から生活リズムを整え、休日はリフレッシュを心掛けましょう。
夜勤がきついと思うなら、日勤のみの職場へ転職をするのもひとつの手です。転職する場合は、転職エージェントの利用も検討しましょう。